インナーバルコニーは、基本的に建物の2階以上に設置されることが多い屋根付きで奥行のあるバルコニーのことです。注文住宅では人気の高い間取りのひとつで、気になる人も多くいるのではないでしょうか?メリットも多く、魅力的な間取りです。注文住宅で家を建てるのならば、取り入れたいと多くの人が思います。ただし、設置に関しては注意点もあるので最初に把握をしておきましょう。
そこで今回は、「インナーバルコニーのメリット10選と注意点」を解説します。設置を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
-
-
スキップフロアはあり?なし?メリットとデメリット10選を紹介
スキップフロアのある住まいにしようか悩んでいる人はいませんか?営業マンが「オシャレで人気のある間取りです」とすすめてくると、取り入れたくなるから不思議です。 ただ、もしスキップフロアの良 ...
続きを見る
インナーバルコニーのメリット10選
インナーバルコニーのメリット10選は次のとおりです。
- 室内と外をつないでくれるセカンドリビング
- 天気が良い日はリビングダイニングに利用ができる
- 天候に影響を受けず利用ができる
- 屋上よりも動線が良く使い勝手が良い
- 住まいに開放感が生まれる
- 外壁に囲まれているので庭よりもプライバシーを守りやすい
- 急に雨が降っても洗濯物がぬれない
- 子どもが楽しめる場所にもなる
- 趣味に活用ができる
- 緑を取り込むこともできる
詳しく解説をしていきます。
室内と外をつないでくれるセカンドリビング
インナーバルコニーは、室内と外をつなぐセカンドリビングとしてのメリットを持っています。上手に組み合わせれば、次の効果が得られるはずです。
- 自然の光や風を室内に取り込んでくれる
- インナーバルコニーとリビングの境目を工夫すればリビングが広がったように見える
- 大きな解放感が得られる
インナーバルコニーをリビングに隣接させれば、ソファで休みながら採光や風など、自然の恩恵を受けながら休日を満喫できます。心地よい光と風で、毎日の疲れも癒やされることでしょう。

休みだからといってリビングでゴロゴロしているだけでは不健康です。上手にインナーバルコニーを採用すれば、普段の生活の中に自然を取り入れることができます。
天気が良い日はリビングダイニングに利用ができる
天気の良い日は、インナーバルコニーで朝食をとってみてはいかがでしょうか。インナーバルコニーにテーブルとイスを設置すれば、ピクニック感覚で朝食がとれます。同じ朝食でも、家の中と外で食べるのでは別物です。
マンネリ化した毎日は、「今日も同じ朝が来た」と気分が滅入ります。「毎日が充実している」と言い切れる人には無縁の状況かもしれませんが、平日の行動はパターン化されている人も少なくありません。ストレスを持ち続ける人もいます。
天気が良い日ならば、たまにはインナーバルコニーで朝食をとってみましょう。朝日を浴びながらとる朝食が、マンネリ化した日常を打破してくれます。同じ朝食でも意味が変わってくるのです。
天気が良い日はインナーバルコニーをリビングダイニングに活用できます。食事をとる場所が選べるのもメリットのひとつです。
天候に影響を受けず利用ができる
先ほどは、天気の良い日と限定しましたが、インナーバルコニーならば天候の影響は最小限で済みます。台風など特徴的な天候以外ならば、いつでも活用が可能です。そもそもベランダやバルコニーとインナーバルコニーでは何が違うの?と悩む人もいるかもしれません。それぞれの特徴は次のとおりです。
- ベランダ:建物の外に張り出した手すりと屋根のある台(狭いことが多い)
- バルコニー:建物の外に張り出した手すりのある台(広いことが多い)
- インナーバルコニー:建物の内側に引っ込んでいるため庇や天井が屋根になる
インナーバルコニーの違いは、正方形の家の間取りを見るとわかりやすいです。インナーバルコニーが設置されている間取りは正方形を維持できますが、ベランダやバルコニーが付くと形が一部突出します。つまり、インナーバルコニーは、建物の一部なのです。
建物の一部なので、天候に左右されません。雪の日にコンロを利用して外で食べる鍋を想像してみてください。たまに夕飯を外で食べるのも気分転換になります。部屋に隣接しているインナーバルコニーだからこそ、やってみようと思える行動です。小雨が降る外での食事も、季節によっては情緒を感じられます。
建物の一部であるインナーバルコニーだからこそできる活用方法を考えてみましょう。天候の影響を受けないインナーバルコニーだからこそできることがたくさんあります。
屋上よりも動線が良く使い勝手が良い
インナーバルコニーのメリットは使い勝手の良さです。インナーバルコニーを屋上と比べると、良さが引き立ちます。食事を外でする場面を想像してみましょう。
屋上で食事をする場合は、階段を利用して運ばなければいけません。お酒を飲む場合、クーラーボックスなどを準備しなければキッチンまで取りに行くため、階段を何度も利用します。せわしなく動く人がいると落ち着いた食事ができません。
インナーバルコニーとリビングダイニングキッチンを隣接させれば、ものを取りにくい手間がだいぶ楽になります。すぐに準備も完了することでしょう。ちょっと外でお酒を飲む程度でも、インナーバルコニーならば手軽に行えます。屋上の場合は、思いつきでやろうとはなかなか思えません。
屋上を設置した人の中には、「結局利用をしなくなった」という口コミも見られます。階段の存在が、ネックになるようです。インナーバルコニーのように毎日目が行き届かないことから、すぐに汚れがたまります。たまには屋上で食事と考えて向かうと、掃除から始める必要がでてくるかもしれません。「面倒」が頭をよぎるようになり利用をしなくなります。
屋上と比べると、インナーバルコニーのある家は使い勝手の良い間取りです。設置しても使われなければ意味がありません。利用頻度は屋上よりも高まります。
-
-
成功例から学ぶ注文住宅の間取りの決め方を解説!間取り決めのポイント10選
マドコ成功例から学ぶ注文住宅の間取りの決め方10選を解説 注文住宅の間取りを決めるときは、誰もがワクワクします。これから自分が住む家の間取りを決めるのですから当然です。いろいろな希望や夢 ...
続きを見る
住まいに開放感が生まれる
インナーバルコニーを上手に設置すれば非常に大きな開放感を得ることができます。より大きな開放感を得るための方法は次のとおりです。
- 窓を大きくする
- 窓の段差をなくす
- インナーバルコニーの外壁を透明にする
周囲の環境にもよりますが、外壁を透明にすれば、外を見渡せるようになります。床が伸びたような感覚と外が見渡せる状態から、大きな開放感が生まれるのです。それなりのテクノロジーが必要なので、大手ハウスメーカーへの依頼が必要になるかもしれません。上手に設置することで大きな開放感が得られる間取りです。
外壁に囲まれているので庭よりもプライバシーを守りやすい
庭で何かをするとき周囲の目が気になりませんか。「先日、お庭で〇〇されていましたね」と声をかけらえるだけで嫌な気分になる人もいます。相手に悪気がないのは分かっていますが、見られているという事実に直面することで、庭を利用できなくなるかもしれません。
インナーバルコニーならば、庭よりもプライバシーを守ることができます。
- 基本、2階に以上に設置するため外を歩く人の目が気にならない
- 外壁を高くすれば目隠しになる
- 大きなインナーバルコニーが、リビングへの視線もカットしてくれる
インナーバルコニーを利用する場合、多くの人は2階リビングを採用します。リビングが奥に引っ込むことから、目線をカットできるのです。外壁を高くすれば、近所の目線も気になりません。プライバシーを守れるメリットがインナーバルコニーにはあります。
急に雨が降っても洗濯物がぬれない
インナーバルコニーを洗濯物干し場にすれば、急な雨でも洗濯物がぬれる心配がありません。外出中の急な雨、洗濯物を外に出していると急いで帰らなきゃと考えます。急いで帰り、雨にぬれた洗濯物を見てガッカリするはずです。屋根の付いているベランダでも、強い雨には対処ができません。軒が短いことから、小雨程度ならば防げますが洗濯のやり直しをするケースがほとんどです。
インナーバルコニーは、建物の一部なので強い雨でも心配はありません。洗濯物を守ってくれるメリットがあります。
子どもが楽しめる場所にもなる
インナーバルコニーは、子どもの遊び場としても最適です。例えば、プールを出して遊ぶこともできます。しばらくの間は出しておいても邪魔になりません。プライバシーが守られているので、周囲の目を気にせず遊ぶことができます。
子どもが喜ぶバーベキューを行うことも可能です。どこかに出かけてバーベキューをするよりも簡単に行えます。なかなか連休が取れない人もいるはずです。インナーバルコニーは、家族サービスが難しい人の強い味方になってくれます。
趣味に活用ができる
インナーバルコニーは、外の雰囲気も楽しめることから、多くの趣味に活用ができます。
- 外で読書をしている気分になれる
- ハンモックを設置して昼寝ができる
- ゴルフのパター練習
現代社会は、ストレスをいかに発散するかが大切です。趣味はストレス発散に効果的、家で手軽にできるようになれば言うことありません。インナーバルコニーは、大人も楽しめる間取りです。
緑を取り込むこともできる
インナーバルコニーの広さがあれば、緑を取り込むことができます。より身近に自然を感じることも可能です。
子どもたちが大きくなれば、インナーバルコニーで家庭菜園やガーデニングを楽しめます。外壁に寄せたガーデニングならば、すぐにでも始められるかもしれません。
緑のある暮らしは子どもの成長にも影響がでます。緑を身近に感じられる環境は、より良い教育につながるはずです。
インナーバルコニーの注意点
インナーバルコニーのメリット10選を解説しましたが、設置には注意点があります。事前に確認をしておきましょう。
必要な設備を確保すると便利
インナーバルコニーを有効活用するためには、設備が必要です。例えば水道が利用できれば、食事をするときも面倒が省けます。子どものプールに水をはるのも楽です。ガーデニングにも利用ができます。インナーバルコニーには水道が必要です。
さらに、倉庫を設置しておくことをおすすめします。道具をしまえる倉庫があれば、砂埃による汚れも心配はありません。遊び道具などを守ることもできます。インナーバルコニーの利用方法をあらかじめ考えておきましょう。必要なものが見えてきます。用途を考えて設置をすることで、後悔を防ぐことができるのです。
隣接する部屋が暗くなることもある
インナーバルコニーを設置する際は、リビングとの組み合わせを中心に考えます。そのため、別に隣接する部屋の日差しが確保できないケースも少なくありません。
インナーバルコニーは建物の一部です。屋根が大きいメリットが、他の部屋の明るさを遮ります。リビングやインナーバルコニーに注力しすぎるのではなく、隣接する部屋も考えるように注意をしましょう。家の方角や周囲の環境にもよりますが、日差しを入れる工夫をしておかなければカビが発生するかもしれません。
通常のバルコニーよりも高額になる
インナーバルコニーを設置したことで、予算をオーバーする人もいるようです。インナーバルコニーは設置費用が高額になるので注意をしましょう。高額になる理由は次のとおりです。
- 日差しや各空間面積の割り振りなど、間取り作成が難しいため大手ハウスメーカーへの依頼が好ましい
- 断熱材を下に敷くが必要になる
- 屋根が必要になる
インナーバルコニーの設置をするのならば、建築士がいる大手ハウスメーカーへ依頼をするべきです。メリットをより良くするためにも、間取りを深く考えなければ後悔をします。中途半端なインナーバルコニーは、敷地の無駄遣いです。設置をするのならば、本気のインナーバルコニーでなければいけません。
広くなればなるほど、費用がかかります。予算には注意をしておくようにしましょう。
延床面積に含まれるため固定資産税がかかる
バルコニーは容積率の対象外ですが、広いインナーバルコニーは対象になるかもしれません。容積率の対象となれば、固定資産税が上がります。
- 2mを超える奥行きがある
- 天井の高さが2.2m未満
- 天井の高さの半分を超える位置への手すりの設置
- 屋内目的用途で使用される
上記の条件を満たしていないバルコニーは、固定資産税が不要です。しかし固定資産税が上がらないようにすると、中途半端なインナーバルコニーになり、住み始めてから利用をしないかもしれません。そのため、インナーバルコニーを設置するほとんどの人が、固定資産税を覚悟して間取りに組み込みます。固定資産税が上がる点には注意をしておきましょう。
まとめ
「インナーバルコニーのメリット10選と注意点」を解説しました。インナーバルコニーは魅力的な間取りです。上手に設置をすれば、家族みんなが重宝する場所になることでしょう。
ただ、費用が高額になる点だけは注意が必要です。建築費と固定資産税が、建物の外に張り出した一般的なバルコニーよりも高額になります。建築費は最初の支払いで終了しますが、固定資産税は毎年のことです。注意をしておかなければいけません。
インナーバルコニーを利用しているイメージしてみましょう。固定資産税を払うだけの対価は十分にあります。ワクワクする間取りです。「インナーバルコニーのメリット10選」を見て、設置をしたいと感じた人は間取りに加えることをおすすめします。