「長期優良住宅はこんなにお得!」と言う話を聞くけど、実際に何がお得なの?と悩まれている人はいませんか。今さら聞けないと思われている人もいるはずです。
長期優良住宅の認定を受ければ、お金の面で多くの優遇を受けられます。また、長期優良住宅は高品質な家でなければ認定されません。快適な住まいでありながら、お金の面で優遇処置を受けられる住まいです。長期優良住宅を検討されている人は、メリットの詳細を知っておきましょう。
そこで今回は「【こんなにお得!】長期優良住宅のメリット10選!」を解説します。長期優良住宅の認定で悩まれている人は参考にしてください。
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目次
長期優良住宅のメリット10選
長期優良住宅のメリット10選は次のとおりです。
- 認定を受けた安全性の高い家に住むことができる
- 快適な家に長く住むことができる
- 住宅ローンが減税される
- 投資型減税による控除
- 不動産取得税の控除
- 登録免許税の引き下げ
- 固定資産税の減税措置の延長
- フラット35の金利優遇
- 地震保険の割引
- 地域型住宅グリーン化事業の補助金
税金などの控除に関しては変更されることがあります。今回は2021年8月現在の内容ですので注意をしてください。詳しく解説をします。
メリット①認定を受けた安全性の高い家に住むことができる
注文住宅の場合、定められた7つの評価項目の基準をすべて満たさなければ長期優良住宅として認められません。

厳しい審査を通過して「技術的審査適合証」の交付を受けなければ認可されません。つまり長期優良住宅に住むということは、国土交通大臣の登録を受けた機関が証明した安全性に優れている家に住むことができるということです。
満たすべき7つの評価項目を確認していきましょう。
- 劣化対策:劣化対策等級(構造躯体等)等級3かつ構造の種類に応じた基準
- 耐震性:耐震等級(倒壊等防止)等級2等以上
- 維持管理/更新の容易性:維持管理対策等級(専用配管)等級3
- 省エネルギー性:断熱等性能等級4
- 居住環境:地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合にはこれらの内容と調和を図る
- 住居面積:75㎡以上(かつ少なくとも1の階の床面積が40㎡以上)
- 維持保全計画:定期的な点検、補修等に関する計画を策定 ※共同住宅の場合は上記7項目に「可変性」と「バリアフリー性」が追加されます。
上記の項目からもわかるとおり、「劣化対策」「耐震性」「維持管理/更新の容易性」「維持保全計画」の基準をクリアした安全性の高い住まいが長期優良住宅として認められるのです。「技術的審査適合証」が交付されたということは、安心して長く住むことができる証明とも言えます。安心は長期優良住宅として認められたメリットです。
メリット②快適な家に長く住むことができる
長期優良住宅は安全性だけではありません。「省エネルギー性」の評価項目を満たすためには、「断熱等性能等級4」のクリアが必要です。断熱性能で最高等級を満たしている家は、快適な住まいと言えます。
等級3と等級4では断熱性能の高さに大きな違いがあり、断熱材の厚さで言えば2倍から4倍程度が必要です。「断熱性能に関しては最高等級でも足りない」という意見も聞かれますが、快適さが上がることは間違いありません。
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メリット③住宅ローンが減税される
長期優良住宅は一般住宅よりも住宅ローンが減税されます。控除対象限度額が1,000万円に引き上げられるのはメリットです。住宅ローン減税とは、個人が住宅ローンを利用してマイホームの取得やリフォームを行う際に条件を満たすことで所得税から控除される制度、翌年の住民税から控除される場合もあります。
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「控除の概要」
- 控除期間:10年
- 控除率:1%
「控除対象限度額」
- 一般住宅:4,000万円
- 長期優良住宅:5,000万円
「最大控除額」
- 一般住宅:4,000万円×1%×10年=400万円
- 長期優良住宅:5,000万円×1%×10年=500万円
一般住宅よりも最大で100万円も優遇されます。ただし、住宅ローン減税を受けるためには、長期優良住宅の購入に関し次の条件を満たさなければいけません。 - 住宅ローン減税を受ける人が、引き渡し後6カ月以内に住み始める
- 合計所得金額が3,000万円以下である
- 住宅の床面積が40㎡以上(40~50㎡未満については、合計所得金額1,000万円以下の所得制限)で、2分の1以上が居住用スペースである
- 10年上にわたる住宅ローンが組まれている
- 居住用にした年とその年の前後2年ずつに、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていない
上記の条件を満たしていれば10年間にわたり、年末の住宅ローン残高の1%が所得税と住民税から控除されます。戻ってくる金額において、最大で100万円もの差があるのはメリットです。
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メリット④投資型減税による控除
住宅ローンを利用せず長期優良住宅を建てた人は、先ほどの住宅ローン減税を受けられません。自己資金だけで建てた人には投資型減税が用意されています。長期優良住宅にするために増えた性能強化標準費用相当額の10%が控除される制度です。一般住宅では適用できません。
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「投資型減税の詳細(平成26年4月~令和3年12月)」
- 控除対象限度額:650万円
- 控除期間:1年
- 控除率:10%
- 最大控除額65万円
住宅ローン減税と異なり1年の控除です。最大控除額を受けるには65万円の所得税を納めてなければいけません。もし控除がしきれない場合は、翌年の所得税額から控除されます。投資型減税の適用を受ける要件は、長期優良住宅認定通知書の取得です。他にも要件はありますが、住宅ローン減税の主だった要件を満たしていれば問題ありません。
投資型減税は一般住宅では受けられない控除です。長期優良住宅だけに認められて控除はメリットといえます。
メリット⑤不動産取得税の控除
長期優良住宅は、不動産取得税に関する課税標準からの控除額を一般住宅よりも100万円上乗せできるメリットがあります。不動産取得税とは、土地や家屋の購入や注文住宅を建てるなど不動産を取得した人に課税される税金です。相続など一定の場合は課税されません。長期優良住宅を建てる場合は課税の対象です。
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「建物の評価額からの控除額」
- 一般住宅:1,200万円
- 長期優良住宅:1,300万円
軽減措置を受けるには次の要件を満たす必要があります。
- 床面積が50㎡以上240㎡以下
- 取得者の居住用もしくはセカンドハウスでの住宅
- 新耐震基準に適合
- 期限内に都道府県の税事務所へ申告
条件を満たすことでかなり軽減される制度です。長期優良住宅を建てた場合は申告を忘れないようにしましょう。
メリット⑥登録免許税の引き下げ
長期優良住宅には、登記免除税が一般住宅よりも軽減されるメリットがあります。住宅を購入するときは、土地や建物に取得した人の所有権を登記しなければいけません。法務局にある登記簿に所有権を登記して公示をするための手続きです。登記をすることで「私が所有する土地と建物です」と郊外的に示します。
登記の際に必要なのが「登録免許税」、登記手続きの際に発生する税金です。
長期優良住宅なばら次のメリットが発生します。
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「保存登記」
- 一般住宅:1.5/1000(0.15%)
- 長期優良住宅:1.0/1000(0.1%)
「移転登記」
- 一般住宅:3.0/1000(0.3%)
- 長期優良住宅:2.0/1000(0.2%)
評価額が4,000万円の住宅を保存登記する場合は次のとおりです。
- 一般住宅:4,000万円×0.15%=6万円
- 長期優良住宅:4,000万円×0.1%=4万円
お得になるのは一目瞭然です。登録免許税の引き下げられるのは長期優良住宅のメリットといえます。
メリット⑦固定資産税の減税措置の延長
長期優良住宅は、固定資産税の減税措置が延長されるメリットがあります。固定資産税とは、「土地」「家屋」「償却資産」などに課せられる税金です。地方公共団体に納める地方税なので、市町村などに納めます。
固定資産税は新築住宅の購入に関し一定期間の減税措置が行われますが、長期優良住宅で家を建てると延長されるメリットがあるのです。
- 一般住宅:新築後3年間
- 長期優良住宅:新築後5年間
固定資産税は「家の構造や広さ」「各市町村が定めた税率」「地価の変動」などにより異なります。一概にいくらとは言えませんが、例えば10万円だった場合は2年間延長されるので10万円がお得です。
期間は限定的ですが、評価額が高額になればなるほど固定資産税の減額措置はお得になります。長期優良住宅で家を建てる際のメリットです。
メリット⑧フラット35の金利優遇
長期優良住宅は、フラット35の金利で優遇されるメリットがあります。長期優良住宅を建てるのならば、住宅ローンは「フラット35S」を利用するのがおすすめです。「フラット35S」は「フラット35」の金利から0.25%の引き下げ措置が10年間にわたり行われます。金利が10年間も引き下げられるのは大きなメリットです。
さらに詳しく
「フラット35Sを利用する条件」
- フラット35の審査が通過している
- 長期優良住宅等の特に優れた住宅の取得
- 土砂災害特別警戒区域内の新築住宅でないこと(2021年10月以降の申請)
フラット35Sは、予算金額に達すると終了する可能性もあります。上記の条件を満たした長期優良住宅でも適用されないことがあるので注意をしましょう。終了はフラット35のホームページで確認ができます。
10年間にわたり金利で優遇を受けられると支払い額への影響が大きいです。例えば3,000万円の融資を受けた場合ならば、返済方法により異なりますが約70万円程度がお得になります。
フラット35には、省エネルギー性等の性能が優れた住宅の取得時に適用される金利引き下げ措置もありますが期間は5年です。長期優良住宅よりも短いので約30万円程度しかお得になりません。長期優良住宅の10年間にわる優遇措置は魅力的です。
長期優良住宅で家を建てる場合はフラット35Sを利用しましょう。住宅ローンの金利がお得になります。
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メリット⑨地震保険の割引
長期優良住宅は、「技術的審査適合証」と「認定通知書」を提示することで地震保険の割引を受けられるメリットがあります。「割引と言っても保険会社で違うのでは?」と思われるかもしれませんが、地震保険は各社共通です。保証内容も保険料も同じ内容で統一されています。ただし単体での申し込みはできず、火災保険への加入が必要です。
地震保険の割引の条件は対象によって異なります。
- 免震建築物:50%
- 耐震等級3:50%
- 耐震等級2:30%
- 耐震等級1:10%
長期優良住宅は、耐震等級2が確定しているので少なくとも30%以上の割引が適用されます。大きな地震はいつおきても不思議ではありません。地震保険の検討は必要です。地震保険の割引が確実に受けら得るのはメリットのひとつと言えます。
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メリット⑩地域型住宅グリーン化事業の補助金
長期優良住宅は、条件を満たすことで地域型住宅グリーン化事業の補助金が受けられるメリットがあります。補助金額は最大で110万円、さらに条件を満たすことで加算額がプラスされる仕組みです。
さらに詳しく
「主な条件」
- 地域材を使用した一定の性能を有する木造住宅
- 国の採択を受けたグループ構成員である中小住宅生産者等により建てられた住宅
大手ハウスメーカーで依頼をした人は補助金を受けられません。上記の条件を満たした長期優良住宅であれれば最大で110万円の補助金を受け取れます。また次の条件を満たすことで加算額がプラスされる制度です。
- 地域材加算(施工事業者あたりの上限戸数あり):20万円
- 三世代同居加算:30万円
- 若者、子育て世帯加算:30万円
- 省エネ強化加算:30万円
※①~③は重複での加算はできません。
地域型住宅グリーン化事業の補助金には、注文住宅メーカーに確認をしておかなければいけません。地域の登録事業社であるかどうかの確認を事前にしておきましょう。100万円を超える補助金の受取りは大きなメリットです。
まとめ
「【こんなにお得!】長期優良住宅のメリット10選!」について解説をしました。長期優良住宅にはお得になるメリットがたくさんあります。家族が安心して暮らせる住まいにプラスして、金銭面でもお得になるのですから検討をするべきです。他にも、所管行政庁独自に行っている取り組みもあります。建てる前に、所管行政のホームページでお得になる情報がないかを確認しておきましょう。
ただし、詳細な条件や期限、申請などが必要になるメリットがほとんどです。長期優良住宅で建てるときは、メリットが適用されるかの確認を怠らないようにしましょう。依頼をする注文住宅メーカーとの綿密なやり取りが大切です。