スキップフロアのある住まいにしようか悩んでいる人はいませんか?営業マンが「オシャレで人気のある間取りです」とすすめてくると、取り入れたくなるから不思議です。
ただ、もしスキップフロアの良いところばかりの説明を受けているのならば注意をしてください。何にでもメリットとデメリットがあります。良い面ばかりの情報は判断を誤り、住み始めてからの後悔を生むかもしれません。メリットは大切ですが、デメリットの情報を踏まえた上で検討をしましょう。
そこで今回はスキップフロアのメリットとデメリット10選を紹介します。スキップフロアで悩まれている人は、ぜひ参考にしてください。
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目次
スキップフロアのメリットとデメリット10選
今回は、スキップフロアのメリットとデメリットを5選ずつ、計10選を紹介します。
メリット
- 建坪が小さくても空間を広げられる
- スキップフロアの使用用途は多数ある
- スキップフロアはオシャレ
- 変形地に対応可能
- 風通しと日当りが良くなる工夫ができる
デメリット
- 部屋の間取りが広くなるので寒い
- 増えた段差が危険
- 音が響きやすい
- 掃除が大変
- 建築コストが高くなる
詳しく解説をしていきます。
メリット①建坪が小さくても空間を広げられる

スキップフロアとは、家の中の空間をずらすことで中間層に間取りを増やす提案です。横にスペースを求められないのだから空間に求めることに特化する、まさに空間の有効活用を実現する提案ではないでしょうか。無駄なスペースが省けます。限りのある横ではなく、縦の空間を利用することで延床面積が増えるのです。ずらされた空間が立体的な流動性を生むことで、狭い建坪に広い住まいを実現させます。
廊下を省くことも可能です。キッチンを中心にスキップフロアを展開すれば、家全体を見渡すこともできます。スキップフロアは壁がありません。立体的なつながりに視線が抜ける間取りです。小さな子どもの行動に家事をしながら気を配ることができます。スキップフロアで延床面積が増えても、目が行き届かなくなるわけではありません。
建坪で悩まれている人は、スキップフロアのメリットが最大限に生かせる可能性が高いです。検討をおすすめします。
メリット②スキップフロアの使用用途は多数ある
スキップフロアを採用すれば、使用用途が多数あることから便利な間取りになるメリットがあります。スキップフロアの主な使用用途は次のとおりです。
- 子どもの遊び場になる
- 在宅ワークの場として家の中で仕事ができる
- 隠れ家のような利用方法で気分転換に最適
- 家族それぞれの利用方法
スキップフロアを一人で独占する必要はありません。誰も利用していないときに、自由な方法で利用をする空間としても活用ができます。子供なら勉強や遊び、大人なら書斎などの活用が可能です。ちょっとした机とコンセントを設置しておくだけで他にはなにも必要ありません。使用用途が多彩のスペースが出来上がります。
スキップフロアは、壁やドアを利用せずに空間を仕切るのが特徴です。自分だけの空間でありつつも、お互いが感じられる特別な場所になります。家族のつながりも大切にできる空間です。
スキップフロアを設置したことで、場所の取り合いになるかもしれません。休みの日に、ソファに座りながら子どもの遊んでいる姿を見るのは安らぎの時間です。用途が多彩なスキップフロアの生活を、楽しめるメリットを持っています。
メリット③スキップフロアはオシャレ
完成したスキップフロアを見た人の多くが「オシャレな間取り」と声に出すそうです。スキップフロアの高低差が、空間をアレンジすることで、見た目の良さが上がります。スキップフロアを実際に採用した人の感想に次のような内容が多く見られました。
- 知人を呼ぶと必ずオシャレな間取りとスキップフロアを絶賛してくれます。
- 間取りに遊び心があってうらやましいと言われ嬉しかった。
スキップフロアは、賃貸デザイナーズマンションでも採用をされます。コンクリーと打放しの間取りに、複数のスキップフロアをアレンジした間取りです。見た瞬間心を奪われ、空きがでるとすぐに契約されるデザイナーズマンションもあります。都心の土地で、すこしでも延床面積を増やそうとしてスキップフロアを採用したことが、思わぬ人気を生んだ物件です。
上手にアレンジをすれば、多くの人がうらやましいと思えるオシャレな間取りになります。オシャレな間取りになるのも、スキップフロアが持つメリットのひとつです。
メリット④変形地に対応可能
最初に建坪が小さい土地に大きなメリットが発揮できると説明をしましたが、スキップフロアは変形地にも対応が可能です。土地を最大限に有効活用できます。変形地とは、段差がなく、正方形や長方形でない土地のことです。変形地を敬遠される人もいますが、メリットもあります。変形地のメリットは次のとおりです。
- 土地の購入価格が抑えられる
- 変形地だからこそ得らえる日当りがある(三角などの角地)
- 傾斜地ならば、見晴らしや日当り、風通しが得やすくなる
しかし、普通に変形地へ家を建てても、デッドスペースが増えるだけかもしれません。だからこそ、土地の価格が安いのです。そこで有効な手段がスキップフロアのある家、変形地にスキップフロアを施すことで、傾斜地が気にならない間取りが実現できます。三角形の土地ならば、角にスキップフロアを上手にはめることで、デッドスペースの存在を減少してくれるのです。
スキップフロアを採用すれば、土地を最大限に活用できます。安く土地を購入して延床面積が広い家を建てることもできるメリットを、スキップフロアは持っているのです。
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メリット⑤風通しと日当りが良くなる工夫ができる
スキップフロアを採用すると、風通しや日当りの良い住まいにしやすくなります。壁やドアを利用せず空間で区切りを付ける方法が、家の中に採光を入れやすくしてくれるのです。
窓を適切な位置に設置すれば、太陽の光が下の階まで届きます。複数の窓を上手に設置すれば、風が通りやすくなるのです。自然を感じられる間取りは、多くのメリットをもたらします。
- 湿気が減り室内の環境が良くなる
- 照明の利用頻度が下がる
- 採光の殺菌効果でアレルギー対策にもつながる
自然の恵みをできるだけ得らえる住まいにしたいと思いませんか?家の中に居ながら自然を感じられれば、ストレスの低減にもつながります。スキップフロアは、自然を取り入れやすい提案です。風通しや日当りなどを活用して、気持ちのいい住まいにできるメリットを持っています。
デメリット①部屋の間取りが広くなるので寒い
スキップフロアのメリットでデメリットになる項目が多数あります。スキップフロアで延床面積が増えた分、部屋が暖まるのが遅くなるデメリットです。エアコンの暖かい空気が上にいくため、下のフロアが暖まるのに時間がかかります。スキップフロアには壁やドアがありません。家中の空気を暖めなければ、冬に暖かさを得るのは難しいです。
口コミでも、時期によっては寒すぎて利用できないなどの内容も見られました。デメリットを低減するには次の方法があります。
- 全館空調システムを採用する
- 床暖房を採用する
- 建てるときに高気密高断熱性能の高い家にする
ランニングコストや費用が高額になる方法しか見つかりません。住み始めてからデメリットに気が付いたという口コミもありました。対策をしたら、光熱費が前年の倍近くにまで上がったという話もあります。
スキップフロアは寒くなりがちです。寒いというデメリットを知っておき、建てる前に対策をしておきましょう。
デメリット②増えた段差が危険
スキップフロアは、壁やドアを利用せず、空間で区切りをします。区切りに段差を利用するため、慣れるまで時間がかかるようです。住み始めてから次のような不安が生じるという声も見られます。
- 段差があるので、子どもが怪我をしないか不安
- 今は大丈夫だか、年を取ったら不安な間取りかもしれない
- バリアフリーとは真逆の間取りなので、ケガをしたときには住みにくそう
増えた段差に危険を感じるようです。スキップフロアで遊んでいるとき、子どもが怪我をするかもしれません。キッチンから見ておくことはできますが、万が一のときは「危ない!」という声をかけられるだけです。一瞬で転げ落ちる出来事に対し、フォローする時間などありません。
スキップフロアの有る住まいにすると、内装の変更も困難です。段差がなければ年を取ったとき、エレベーターを付けるなどの提案もできますが、スキップフロアがあると設置はできません。変更が難しい間取りです。
スキップフロアの段差は階段と違います。階段で遊んでいる子どもの注意はできますが、スキップフロアで遊んでいる子どもの注意は難しいです。

デメリット③音が響きやすい
スキップフロアの家は音が響きやすいデメリットを持っています。音を遮る壁とドアがありません。スキップフロアのある間取り全体がひとつに包まれています。大きな音を立てれば響き渡ってしまうのです。
そのため、プライバシーを保つのは難しい間取りと言われています。周囲を見渡せるメリットの逆は、すべて筒抜けの間取りとも言えるのです。スキップフロアで勉強や仕事をしていても、どこか監視されているような目線を感じるかもしれません。集中できない人もいます。
また、リビングでテレビを見ていたら、スキップフロアで遊ぶ子どもの声がうるさくて聞こえないなんてこともありがちです。休日にゆっくりとテレビを見たいのに、子どもたちの「キャッキャッ」と遊ぶ声ばかりが聞こえてきます。日ごろの疲れを怒りにかえて子どもを怒鳴れば、雰囲気は一気に最悪となることでしょう。
騒がしいのが嫌いな人にはスキップフロアは不向きかもしれません。響きやすいデメリットを踏まえて検討をしましょう。
デメリット④掃除が大変
スキップフロアがあると掃除が大変です。延床面積が増える分、段差を含めた床の掃除をしなければいけません。それだけ時間がかかります。
- 段差があるので掃除ロボットが利用できない
- スキップフロアの天井高は1.4m以下にすることが多く掃除するときに腰を痛めやすい
- 段差が多くの隅をつくるので、隅々まで掃除するのが大変
「スキップフロアの段差に、子どもが食べたスナック菓子のカスが落ちていとイライラする」と話す人もいました。腰をかがめながらする掃除は、体の負担になります。完成した間取りを見たとき、掃除をしている想像をしてみましょう。つらそうと感じたら、再度検討をするべきです。
デメリット⑤建築コストが高くなる
スキップフロアは資材が増える分、建築コストが高額になります。たまに「スキップフロアは、コストが下がる」と説明をする人もいますが、それは3階建てと比べた場合の話です。
もともと3階建て希望していたが、見積もりの高さから断念をした人がスキップフロアの提案を受けます。見積もりを見る順番の流れから、安く感じるかもしれません。しかし、2階建てにスキップフロアを追加する場合は、建築コストが資材分高額になります。同じ延床面積の3階建てよりも固定資産税が安くなるので、錯覚を起こすかもしれませんが、普通の2階建てを建てるよりは確実に高額です。他にもコストが上がる理由があります。
- スキップフロアを提供している施工業者にしか依頼ができない
- 設計者により当たりはずれがあるので、コストが高騰しやすい
風通しや採光のメリットを説明しました。変形地にも対応ができます。しかし、すべては良い設計者に当たったときのメリットです。空間を演出するスキップフロアは、設計者の技量が試されます。はずれるとメリットの恩恵は半減以下まで下がることでしょう。メリットを最大に得るためには、コストをかけてより良い設計者に出会う必要もあります。つまり建築コストが上がってしまうというわけです。
まとめ
スキップフロアのメリットとデメリット10選を紹介しました。
少々難の有る土地でもスキップフロアは対応ができます。難のある土地が、スキップフロアを採用することで見違えるほど良くなるかもしれません。遊びに来た知人が絶賛してくれる間取りは、建てて良かったと思える瞬間です。
ただ、後悔をしている人がいることを忘れてはいけません。今回の、スキップフロアのメリットとデメリット10選で上げたデメリットが、どれだけ自分に影響するかを考えてみましょう。メリットの方が上回ると考えられる人が、スキップフロアの間取りを採用するべきです。