せっかく家を建てるのですから、ベランダにもこだわりたいのは当然です。しかし、注文住宅で家を建てる人のなかには「ベランダにお金をかけたくないから標準仕様でいいよ」と話す人もいます。
ベランダは日常生活をする中で、住まいの大切な一部です。生活スタイルを予測して広さや奥行を考えておかないと後悔をします。
「でもどうやって決めるかがわからない」と悩む人もいるはずです。まずはベランダの広さや奥行で失敗した人の話を確認しましょう。失敗談からポイントを考えることが必要です。
そこで今回は「ベランダの広さや奥行を決めるポイント10選!」を解説します。ベランダの広さや奥行で失敗した人の後悔を参考にしてください。
目次
ベランダの広さや奥行での失敗談
ベランダの広さや奥行で失敗した人の話は想像以上に多いです。
「ベランダは外だから、こだわりはない」と話す人もいますが、住み始めてから考え方が変わるかもしれません。長く住むことでライフスタイルも変わります。
住み始めてからの生活と将来を想像しなかった人が後悔をするようです。
後悔したポイント
「奥行がないので洗濯物を干すと歩くのがやっと」
「ベランダが狭いので家族が増えた今、洗濯物がなかなか乾かない」
「奥行がなくて布団を干すときが大変」
ベランダの一般的な奥行きは90cn程度です。洗濯物を干すには十分と話す人もいますが、それは予算を抑えたい人が自分に言い聞かせる言葉かもしれません。
実際は最低でもあと10~20cm程度の余裕がほしかったと住み始めてから思う人が多くいます。
後悔したポイント
「同僚の家に行ったら子どものプールがバルコニーにあってうらやましいと思った」
「住み始めてから10年、ガーデニングを始めたいと思ったけどわが家のバルコニーでは無理だと悟りました」
ライフスタイルや考え方が変わることで後悔をする人もいます。
ベランダで遊ぶ子どもを見ると、「うちの子にも」と考えるかもしれません。しかし奥行や広さがなければ遊び場としての利用は不可能です。
注意
「室外機をおいたらさらに狭くなった」
一般的な奥行きのベランダに室外機を置くと、だいぶ狭くなります。室外機が複数台になれば、それだけベランダを圧迫するかもしれません。洗濯物を干すときも、邪魔になる可能性が高いです。
注意
「大は小を兼ねると思い大きくしたら掃除が大変で後悔」
中には、大きすぎて後悔をする声も見られます。
ベランダは広ければ良いというものでもありません。使用用途がハッキリしていれば掃除も受け入れられますが、普段まったく利用をしないベランダの掃除は面倒です。
ベランダの広さや奥行に関して後悔をする声は多く見られました。参考にしながら、広さや奥行を決めるポイントを解説します。
ベランダの広さや奥行を決めるポイント10選!
ベランダの広さや奥行を決めるポイントは、「使用用途」「建てる場所の立地条件」「ベランダへの思い」などが関係をするので、人によって異なります。
大切なのは一度は悩むこと、「ベランダはどうでもいい」といった考え方は捨てましょう。
ベランダをどう使いたいかで決める
ベランダをどのように使いたいかを想像して広さと奥行を決めましょう。
主な使い方と必要な広さを解説します。使用用途が複数になる人は、より大きなバルコニーが必要です。
ポイント①洗濯物や布団を干すだけ
ベランダ使用用途の第1位は洗濯物を干すこと、第2位に布団を干すことがランクインします。
ベランダは物干し以外利用をしないという人は、ストレスなく洗濯ができる広さや奥行が必要です。ただし、「共働きで普段はランドリールームで全てを終える」と考えている人には、不要な考え方かもしれません。
ベランダの利用が洗濯物や布団を干すだけの場合、広さや奥行の目安は次のとおりです。
- 洗濯物を干す:奥行100cm以上
- 布団を干す:奥行120cm以上
最低でも上記の奥行があればストレスなく利用ができます。
洗濯物の間に風が通るくらいの余裕を持った広さを考えます。布団は1枚が約100cmです。家族4人構成で、一度にすべての布団を干したい場合は450cmほどの幅があれば余裕で干せます。
洗濯は、ほぼ毎日行う家事です。少しでも楽にするのならば、一度で干せる広さが必要になります。広さを決めるポイントは家族の人数です。
天日干しした後の布団には、ダニやハウスダストがありません。健康的な生活を送るためにも、ベランダに布団を干せる広さや奥行を確保しましょう。
ポイント②ガーデニング
ベランダでガーデニングをしたいと考える人もいます。
ガーデニングをしたい人は、最低でも「奥行120cm以上」を確保しましょう。どれくらいの規模にするかで幅や広さが決まります。
ベランダで行うガーデニングのおすすめポイントは次のとおりです。
- リビングの横に緑があると生活にゆとりができる
- 近所の目線を遮る効果がある
- 子どもが植物に興味を持つ
- ベランダでのガーデニングは天候に左右されにくい
身近に緑のある生活は、子どもの「情操教育」にも効果があります。緑を育てることで道徳的な意識を養うのです。
ベランダでガーデニングを始めたいと思う気持ちもわかります。規模を考えてから、必要や広さを確保するようにしましょう。
ポイント③ベランダで食事がしたい
休日の朝、天気の良いベランダで食事をするのは快適です。テーブルとイスを並べ、いつでも外で食事ができる場所を確保しておくとワクワクします。
ベランダで食事がしたい人は、最低でも「奥行150cm以上」「幅400cm以上」の広さを確保しましょう。
ギリギリのスペースで食事をしても楽しくありません。ギリギリのスペースは、駅の立ち食いソバのように急かされるイメージを抱きます。
日々の疲れを癒やす目的でベランダでの食事を選んだはずです。余裕のないスペースでの食事は逆効果になるかもしれません。
休みの前日の夜に、ベランダでゆっくりとお酒を飲むことを想像してみましょう。楽しいと思いませんか。夏にスマホの動画を見ながら夕涼みするのも楽しそうです。ゆとりのある生活が手に入ります。
食事をしたいという考えも、広さや奥行を決めるときのポイントです。
ポイント④子どもの遊び場にしたい
ベランダを子どもの遊び場にしたいと考える人もいます。子どもの遊び場と言えばプールではないでしょうか。子供用のプールが置けるだけの広さが必要です。
置くプールの大きさにもよりますが、奥行は「プールの直径プラス40cm以上」あれば問題ありません。例えば直径180cmのプールを購入する予定ならば、220cm以上の奥行を考えておきましょう。広さは水栓も含め4畳半程度あれば十分です。
冬は小さいテントをはって遊ぶこともできます。ちょっとしたキャンプ気分で楽しめるのがポイントです。4畳半の広さがあれば、いろいろな工夫ができます。
子どもの人数にもよりますが2人ならば4畳半あれば問題ありません。遊び場としの活用を考えている人は、目線のカットにも気を付けてベランダを設置しましょう。
ポイント⑤日光浴がしたい
ベランダで日光浴をしたいと思う人もいます。日光浴に必要なのはゆっくりとできるだけのスペースです。できれば「奥行180cm以上」を確保しましょう。
幅は太陽の位置や、何を設置するかによって異なります。ハンモックを利用したい人は、あらかじめハウスメーカーに相談をして設置するための柱を用意しておくと便利です。
日光浴には次のような効果があります。
- 免疫が向上
- 体温の上昇
- 精神や情緒の安定
- 夜に深く良質な睡眠がとれる
最近は在宅ワークをする人が増えました。
外に出る機会が少ない人は、自分で外出を意識しなければいけません。しかし、仕事が忙しい人は室内にこもります。パソコンのそばにいないと不安になる人もいるようです。
日光は必要な栄養素をつくります。ベランダに日光浴ができるスペースがあれば健康の維持にもつながるはずです。
自宅のベランダでハンモックを利用した日光浴、想像しただけでも楽しそうと思いませんか。「日光浴がしたい!」は、ベランダの広さや奥行を決めるポイントです。
ポイント⑥バーベキューがしたい
ベランダでバーベキューがしたいと考える人もいます。自宅にいながらバーベキューができるのは夢のような状況です。
ベランダでバーベキューをするときは、最低でも「4畳半以上」のスペースを確保しておきましょう。人数が増えるのならばもっと広さが必要になりますが、4人で行うのならば4畳半程度で十分です。
ポイント⑦建てる場所の立地条件で決める
ここまでは、ベランダの使用用途により奥行や広さを決めました。しかし今まで上げてきた使用用途も、立地条件が良くなければ実現が難しいです。
例えば次のような場所の土地に建てる場合は、広いベランダを設置しても利用しなくなるかもしれません。
- ベランダが大きな道路に面している
- 山や木が多くあり虫の発生があまりにもひどい
- 住宅密集地で周囲がうるさい
上記の立地条件は例です。
排ガスがひどいところで日光浴や食事はできません。広いベランダを設置しても利用をしなくなる可能性が高いです。またすぐに汚れ掃除も大変になります。
使用の希望はいろいろとあるかもしれませんが、建てる場所の周囲を気にしなければいけません。ベランダの奥行や広さを決めるときは、立地条件もポイントのひとつです。
ポイント⑧性格で決める
「性格で決めるってどういうこと?」と思われるかもしれませんが、注文住宅の設備を決めるときは、自分の性格を考えることも重要です。
ハウスメーカーや商品によって異なりますが、ベランダを標準仕様よりも広くすると数十万円ほど費用が上がります。ベランダの後悔は、お金をかけたにも関わらず利用しない事実、目的が明確でも利用をしなければ失敗です。
- 何をするにも飽きっぽい
- 面倒なことが嫌い
- 趣味を途中で止めることが多い
「本当にベランダで食事をとりますか?」「バーベキューをしたいですか?」「日光浴に使いますか?」「子どもがベランダで遊んでほしいと思っていますか?」をもう一度自問自答してみましょう。
「もしかしたら使わない」と一瞬でも思えれば利用をしなくなる可能性が高いです。
もし利用をしないのならば費用をかけず、標準仕様の広さで決めるべきではないでしょうか。
利用をしないベランダは汚れがたまり、残念な状態になります。普段から飽きっぽい人は注意をしましょう。数年に1度利用する程度で何十万も使うのはもったいないです。
ポイント⑨水栓が置けるだけの広さと奥行で決める
ベランダには水栓があると便利です。子どのも遊び場やバーベキューの利用に限らず、少しでも広くすると考えたのならば水栓が置けるだけの広さと奥行を確保しましょう。
広くなると掃除が大変です。掃除をするときにキッチンからホースを引いて行う人もいますが、万が一ホースが外れたらキッチンが水浸しになります。掃除の手間が増え面倒です。
バケツで水を運ぶ方法もありますが、何度も運ぶのは大変ではないでしょうか。少しでも広くするのならば水栓があると便利です。
ベランダは外にあるので、すぐに汚れます。広さや奥行を決めるときは、水栓の位置も決めるポイントに含むことがおすすめです。
ポイント⑩エアコンの設置から決める
ベランダを設置する回りの部屋に、エアコンを設置するかを考慮しておきましょう。室外機が増えたことで、ベランダが圧迫されることがあります。
例えば、2カ所の部屋からベランダにでられる間取りを考えた場合、出入り口に「引き戸」と「扉」を選択するケースもあるようです。
扉を設置した場合は、室外機が原因で扉の開閉ができなくなる場合もあります。
開閉をするために室外機を中途半端な位置に置くと、見た目が悪くなるかもしれません。エアコンを設置する部屋を考え、踏まえた広さや奥行を決めておくことが必要です。
まとめ
「ベランダの広さや奥行を決めるポイント10選!」を解説しました。
ベランダの広さや奥行を決めるポイントは、「人」「家族構成」「建てる場所」によって異なります。
ベランダに「快適に過ごせる空間」を求める人もいれば、「外にいるより室内の快適さを求める」と考える人もいるはずです。大切なのはよく考えること、想像力が求められます。
広いベランダに後悔をする人もいれば、標準仕様の狭いベランダに後悔をする人もいます。
ライフスタイルや考え方が変わることもありますが、家族でよく将来のことも考えながら決めることが大切です。
決める時は、「ベランダの広さや奥行を決めるポイント10選!」を参考にして相談するようにしましょう。