ガルバリウム鋼板は人気の外壁です。価格も魅力的なので、よくリフォームなどにも採用されています。知名度とシェア率がだいぶ上がってきました。しかし「本当に素晴らしい外壁なの?」と疑問を抱いている人はいませんか。あまりにも営業マンの説明が良すぎると不安になります。その直感は正しいです。ガルバリウム鋼板を実際に採用して、後悔をされた人もいます。
都合の良いことしか言わない営業マンを信じるのは危険です。ガルバリウム鋼板の採用で悩まれている人は、いったん落ち着いて調べてから決断をしましょう。
そこで今回は「ガルバリウム鋼板の外壁ってどう?後悔したこと10選」を紹介します。人気の高さで決めるのは早計です。後悔したことを判断材料に活用してください。
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目次
ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板は、1972年にアメリカで開発された「アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板」です。金属鋼板に、「アルミニウム」「亜鉛」「シリコン」を利用したメッキ(固体表面に金属を成膜させる技術)により作られます。中身は鉄でできていることから、金属素材の一種です。
ガルバリウム鋼板は「耐久年数が長い」「さびにくい」「耐震性が高い」「軽量」など、優秀な特徴を持っています。優秀なことから屋根や外壁で採用されることが多くなりました。最近では多くのメーカーが販売をしています。
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ガルバリウム鋼板の外壁に後悔したこと10選
ガルバリウム鋼板の外壁に後悔したこと10選は次のとおりです。
- キズがつきやすい
- ボコボコが目立つ
- メンテナンスフリーにだまされた
- 施工業者で失敗
- 断熱性能に疑問
- 結露が発生した
- 外の音が気になる
- 夏場の外壁は異様に熱い
- さびた
- 汚れがひどい
詳しく解説をしていきます。
後悔①キズがつきやすい
ガルバリウム鋼板の外壁はキズが付きやすいです。目立つキズが付くことで後悔をします。ガルバリウム鋼板のメッキは薄いので、ちょっとしたことですぐにキズがつくのです。「メッキがはがれる」が、住んでいる家の外壁で実際に発生します。
- 子どもが遊んでいたおもちゃが当たったらキズが付いた
- 子どもの三輪車がぶつかってキズがついた
- 強風で飛来物があたりキズが付いた
- 雹が降ったあと確認をしたらキズが無数に付いていた
「えっ?これだけでキズが付くの」と思われる人もいます。平均0.4mmの膜では守り切れないのかもしれません。ちょっとのキズがすごく気になる人はいませんか?もし自覚があるのでならばガルバリウム鋼板の外壁は後悔をします。キズが付きやすいことを忘れてはいけません。
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後悔②ボコボコが目立つ
キズ程度ならまだマシ、我が家のガルバリウム鋼板の外壁はボコボコですと後悔を話す人もいます。数年で数十カ所がボコボコになり、晴れた日は陰影で得に目立つそうです。親に「みすぼらしい」と言われショックを受けたと話されていました。
ボコボコになった原因はとくに思い当たらないそうです。たまたま見つけた凹みに気づき子どもに確認をしたところ「何もぶつけてない」と言われました。その日から自転車や子どもの遊び道具は外壁から離すようにしたそうです。しかし努力も虚しく数年でボコボコが目立つようになりました。外壁に配慮をしながら生活をしているのに、凹みを抑えられないのはキツイです。
すべてのガルバリウム鋼板の外壁で起こる内容ではありません。おそらく施工業者の技術力や商品に問題があったのでは?と推測ができます。対策を講じない業者に依頼をすることで後悔をする人もいるようです。
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後悔③メンテナンスフリーにだまされた
「営業マンがメンテナンスフリーと言っていたから決めたのに話が違う」といった後悔を口にする人がいます。ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーではありません。そもそもメンテナンスフリーの素材はなく、どのような物でも年月が経つことでいずれは費用をかけたメンテナンスが必要になります。
先ほど「ガルバリウム鋼板とは」で解説をした魅力的な特徴が、ひとり歩きをしているのかもしれません。中には営業マンが契約をとるために話をもっている場合もあります。口の上手い営業マンにだまされないでください。ガルバリウム鋼板の外壁は主に次のメンテナンスが必要です。
外壁塗装 | 目安は50万円から120万円程度 |
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張り替え | 5千円から8千円/1㎡程度 |
大きなキズを放置すると、耐久性を脅かす事態に発展するかもしれません。なるべく早く上から塗ってもらうなどのメンテナンスが必要です。「自分でできる」と思われるかもしれませんが、素人は色選びで失敗をします。見栄えが悪くなることからプロの業者への依頼が必要です。
営業マンの言葉巧みなメンテナンスフリーの話にだまされて後悔をする人もいます。次のような言葉で説得をしようとする業者もいました。
「大手はガルバリウム鋼板を利用していません。性能が高いにも関わらず価格が安いからです。メンテナンス費用が掛からないので、将来的にもメーカーに旨味がないことから採用をしていないのです」
確かに大手ハウスメーカーで、ガルバリウム鋼板の外壁を採用しているところは見当たりません。しかし大手が採用しない理由は他にあります。真実を少し入れることで契約をさせようとする説明方法です。真実を知らない人ならば、何となく納得できるような話し方ではないでしょうか。
ガルバリウム鋼板の外壁はメンテナンスが必要です。だまされないように注意をしましょう。
後悔④施工業者で失敗
受け渡し時に外壁のキズを見て、契約した施工業者に後悔をする人もいます。ガルバリウム鋼板はキズが付きやすい素材です。施工をするときも十分に配慮をしなければいけません。残念ながら適当な施工業者もいます。作業スピードを重視するあまり、丁寧な作業を心がけていない業者です。
ガルバリウム鋼板は、持ち運びの際も注意をしなければいけません。軽い素材なので、素早く持ち運びができます。それだけに乱暴に扱う業者もいるようです。
受け渡し時に無数のキズが付いていたなどの口コミも多数見られました。ガルバリウム鋼板が悪いわけではありませんが、施工業者選びで後悔をしないよう十分に確認をすることが大切です。
後悔⑤断熱性能に疑問
ガルバリウム鋼板の中心は金属です。熱伝導率が高いので断熱性能には優れていません。「夏場は冷房を止められないから何だか毎日がだるい」など、住み始めてから後悔をする人もいます。ガルバリウム鋼板の外壁を採用するときは後悔をしないためにも次の点に注意をしましょう。
- 断熱材が一体化されている外壁を選ぶ
- 採用する断熱材は性能の高いものを採用する
- 断熱工法にこだわる
ガルバリウム鋼板を外壁で採用する場合は、断熱材と工法にこだわる必要があります。もともと熱伝導率が高い素材なので、間に優れた断熱材を挟まなければ外気の影響をもろに受けるかもしれません。優れた断熱材を隙間なく厚く敷き詰めることで、室内を心地よくします。
先ほど大手ハウスメーカーはガルバリウム鋼板をほとんど採用していないと説明をしました。採用しない理由のひとつに、優れた断熱材を使用することで価格が高額になることがあげられます。「ならばガルバリウム鋼板でなくていいでしょ」が大手の答えです。
住み始めてから住まいの暑さに後悔をする人もいます。採用をする人は、断熱材と工法の確認を必ずしておきましょう。
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後悔⑥結露が発生した
断熱性能が低いので結露も発生しやすいです。発生した結露が住まいの耐久性と住む人の健康を脅かします。
口コミでも冬場だけでなく夏場の結露がひどいといった後悔をする内容が多く見られました。結露は外気と室内の温度差により発生します。結露があまりにひどいと健康面に影響がでるかもしれません。
また、結露の発生が断熱材を弱らせることもあります。断熱材の中には、結露の発生により水分を吸収したことの重みで垂れてしまうような水に弱い素材もあるのです。結露を防ぐためには、断熱性能を上げる必要がありますが、優れた技術がなければ簡単に劣化をします。
ガルバリウム鋼板の外壁で家を建てる場合は、依頼をする業者の実績を確認しておきましょう。あまりよくない口コミが多い業者だと後悔をするかもしれません。
後悔⑦外の音が気になる
ガルバリウム鋼板の外壁は遮音性が低いです。遮音性を高めるためには、すっぽりと断熱材で隙間なく住まいを包み込む必要があります。十分な対応をしていない人は、音の問題で後悔するようです。
- 暴雨のときはマシンガンで撃たれたような音がする
- 先日、雹が降ったときの音が恐ろしくて忘れられません
- 強風の日は部屋にいても休まらない
雨の日にトタン屋根の下で雨宿りをしたことはありませんか?初めて体験すると、すごい音に驚きます。ガルバリウム鋼板も同じです。もちろん断熱材に囲まれているので、トタンのような音ではありませんが、薄い断熱材を採用している住まいは現象が似てきます。そもそも鉄なので振動が伝わりやすいのが特徴です。外部で受けた衝撃音が住まいに響きます。
音の問題で後悔をする人が多くいるようです。断熱材の厚さを、必ず確認しておきましょう。
後悔⑧夏場の外壁は異様に熱い
夏場の外壁は異様に熱くなります。夏場の車のドアに触れるのと同じです。金属は熱を吸収しやすいので当然の状況とも言えます。
外壁が熱くなることで子どもが火傷をするかもしれません。夏休みに庭で遊んでいたときに、外壁の熱さによって怪我をすることもあります。もし怪我をしたら後悔をしませんか。外壁が熱くなることを説明し、熱い時期は長時間触らないように注意をしましょう。異様な熱さに面白がって触っていると危険です。
後悔⑨さびた
ガルバリウム鋼板はさびに強いことで有名です。金属系の外壁材の中では、トップクラスで防さび性に優れています。ただし金属系の中で比較をしたらというだけであって、さびないわけではありません。「さびにくい」と「さびない」ではまったく違います。しかし、さびに関しても誤った認識をしている人がいるようです。営業マンが「さびない」といったことを鵜呑みにした結果、住み始めた後にさびはじめたことで後悔をします。
ガルバリウム鋼板はキズが付きやすいと解説をしました。キズが付きメッキが剥がれることで芯にある鉄が雨水や結露などでさびます。特に海沿いでガルバリウム鋼板を採用するのは危険です。潮風にさらされることで通常よりも早くさびに侵食されるかもしれません。さびは放置することで拡大をし、耐久性はいっきに落ちます。適切な対処が必要です。
万が一さびが発生をした場合は、さびとり剤を使用し、専用の塗料で塗り直さなければいけません。さびの発生から3カ月~4カ月以内なら塗料での対応ができます。塗装だけで済ますためには、定期的な確認が必要です。少なくとも3カ月に1度は清掃を行いながら確認をしましょう。さびを早期に発見することで耐久性に影響がでないようにします。
さびに関しても「聞いていた話と違う」と後悔をする人がいました。「さびにくい」を「さびない」と勘違いしたのか、営業マンが意図的に話したかはわかりません。後悔をしないためにも「さびない」のではなく「さびにくい」と認識をしておきましょう。
後悔⑩汚れがひどい
ガルバリウム鋼板に関しては、汚れがひどいという口コミも多く見られました。ある程度の汚れは雨によって流される外壁もありますが、軒下など雨がかからない個所の汚れは目立ちます。定期的に清掃をしなければいけません。
ただし、高圧洗浄機の利用は控えましょう。高圧洗浄機の勢いではキズがつくかもしれません。清掃をするときはホースやシャワーを使用します。おすすめの清掃方法は次のとおりです。
- 最初は水洗いをする
- 水洗いで落ちない汚れは、薄めの中性洗剤をやわらかいスポンジに含ませ洗浄し水で流す
ある程度の汚れは水洗いのみで大丈夫です。定期的に清掃をすることで、さび防止にもつながります。汚れがひどいと後悔をする人もいるので、定期的な清掃が必要ということも頭の片隅に入れておきましょう。
まとめ
「ガルバリウム鋼板の外壁ってどう?後悔したこと10選」について解説をしました。ガルバリウム鋼板は、どちらかというとリフォーム時に採用する人が多い外壁です。注文住宅でガルバリウム鋼板を採用したい人は、設計事務所や地域密着型の工務店に依頼をしましょう。大手ではあまり取り扱いのない外壁材です。
ただ、後悔をしている人も多くいます。心地よい住まいにするためには、高性能断熱材の採用と優れた技術が必要です。今回の「ガルバリウム鋼板の外壁ってどう?後悔したこと10選」を参考にしていただけば、営業マンのトークに惑わされることはありません。信頼のできる施工業者を探すことが大切です。