
「坪単価35万円」「1,000万円で家が建つ」など、いろいろなローコスト住宅の広告をよく見かけますが、あまりにも安すぎて「本当に大丈夫?」と考えてしまう気持ちもわかります。
大手ハウスメーカーは2,500万円以上が相場です。半額以下の価格で家が建つのですから何かしらの問題を懸念します。ローコスト住宅が気になっている人は、実際に建てた人の評判や後悔を確認しておくことが大切です。
そこで今回は「ローコスト住宅の評判は?よくある後悔10選」を解説します。ローコスト住宅で悩んでいる人は参考にしてください。
-
-
超ローコスト住宅メーカーをランキングベスト10で発表
「どうしても安く注文住宅を建てたい!」と考えている人はいませんか?安く家を建てたいのならば、ローコスト住宅をウリにする住宅メーカーへ依頼するのがおすすめです。最近はローコスト住宅を超えた ...
続きを見る
目次
ローコスト住宅の評判
ローコスト住宅に関する評判は賛否両論です。良い評判もあれば悪い評判もあります。中にはどちらとも言えない評判もありました。
良い評判
- 坪単価33万円の家に5年住んでいますが、いまだに不満はありません。最高の住まいです。
- ローコスト住宅は建築が開始してから後悔すると言われましたが、特段何事もなく住み始めることができました。家族は全員大満足をしています。
- 規格住宅でしたが理想どおりの住まいが出来上がりました。性能もよく、冬も部屋の中は寒くありません。
悪い評判
- アフターサービスが最悪。電話しても折り返しがない。
- 職人がご近所と言い争いをしたらしく住み始めてから最悪です。確かに安かったですが、後悔しかありません。
- 発注ミスが多くてイライラした。人件費をカットしているから一人に負担があり過ぎ。外壁の色が違うと指摘をしたら「そうでしたっけ」と言われ、こんなところに依頼した自分が間違っていたと思い悔しくて涙がでました。
どちらとも言えない評判
- 総額1,250万円で建てることができました。不満を言ったらキリがないですが、それは高額な家でも言うはずです。安いのだから得に不満はありません。
- 1,100万円の家だから不満は得にありません。もし2,000万円以上でこのクオリティだったら不満ですが許容範囲です。
ローコスト住宅だからダメということは一概には言えません。建築基準法で定められた基準は満たされています。安全性に問題はありません。
住む人の価値観によって評判は変わります。ローコスト住宅でこれから建てる人に必要なのは、よくある後悔を知り、自分は後悔をしないよう排除しておくことです。「ローコスト住宅でよくある後悔10選」を参考にしましょう。
-
-
ローコスト住宅のデメリット10選!欠陥や外観がしょぼいのは本当?
安く注文住宅を建てたいと考えている人はローコスト住宅を検討します。一般的な注文住宅の半分以下で建てられることもあるローコスト住宅、中には建物価格が1,000万円以下の商品もあるのです。若 ...
続きを見る
ローコスト住宅でよくある後悔10選
ローコスト住宅でよくある後悔10選は次のとおりです。
- 見た目が安っぽい
- 外壁の汚れが目立つ
- メンテナンス費用が高額
- 耐震性に不安
- 契約が締結したら連絡がなくなった
- 職人の態度が悪い
- 間取りに不満
- 断熱性能が低い
- 耐久性が低い
- アフターサービスが悪く保証期間も短い
上記の後悔は、すべてのローコスト住宅に当てはまるものではありません。先ほどの評判で紹介したとおり大満足している人もいますので安心してください。
後悔①見た目が安っぽい
実際に建った住まいを見て「安っぽい」と後悔する人も居るようです。残念ながらローコスト住宅には「重厚感」や「高級感」が足りません。ローコスト住宅はシンプルイズベストが当てはまる注文住宅です。コストカットをするためにいろいろな工夫をしています。
コストカットの工夫
- 形をシンプルなボックス型にする
- 標準仕様の設備は性能を抑えている
実際に価格が安いので「安っぽい」と思われるのは当然かもしれませんが限度があります。得に気になるのが壁紙です。標準仕様でビニールクロスを利用しますが、デザインが選べないこともあります。「テカテカしたビニールクロスを見ると毎日後悔をする」といった声も見られました。
ローコスト住宅で建てるときは、素材の確認が必要です。モデルハウスを見学し、実際にこの設備を利用するかなどを質問しましょう。契約前の確認で後悔が避けられます。オプションの可能性もあるので注意をしてください。
後悔②外壁の汚れが目立つ
外壁の汚れが目立つことで後悔をする人もいます。「後に建ったのに我が家の壁の方が汚れている」など、近所と比べて後悔をするようです。
外壁でおすすめなのがタイルですが、ローコスト住宅で採用されることほとんどありません。費用が高額になるのでサイディングやガルバリウムを標準仕様にしています。
サイディングでもセルフクリーニング機能が備わっている外壁材もありますが、ローコスト住宅ではあまり採用されません。そのため、すぐに汚れが目立つ住まいが多いようです。
口コミでは、3年しか住んでいないのに外壁のカビコケが酷いという声もありました。外壁材の確認は重要です。
後悔③メンテナンス費用が高額
メンテナンス費用を見て後悔をする人も居るようです。「トータルで見たら普通の注文住宅と変わらないのでは?」という声もよく見られます。
後悔ポイント
- 外壁:シーリング打ち換え、再塗装、張替え
- 屋根:再塗装、葺き替え工事
- 構造体:シロアリ対策
- バルコニー:防水パンの交換、シーリング打ち換え、防水層の再塗装
- 外部建具:サッシ、網戸、シャッター
- 内装:フローリング、クロス、畳、内部金具
- 住宅設備:給湯器、排水管
上記はメンテナンスが必要となる主な項目です。ローコスト住宅は素材の質が落ちるケースがあり、10年程度でメンテナンスをおこなわなければいけません。
ポイント
3,000円で購入した靴を3カ月で履きつぶすのと、10,000円で購入した靴が1年以上にわたり利用できた場合で考えてみましょう。質の良い10,000円以上の靴がトータルで見るとお得なのは一目瞭然です。
ローコスト住宅には、同じことが起きる可能性があります。依頼をするときは、設備の耐用年数を確認しておきましょう。素材を確認することで、将来のメンテナンス費用がある程度割り出せます。「とにかく戸建てを建てたい」の一心で動くと後悔するかもしれません。冷静な計算が必要です。
後悔④耐震性に不安
住み始めてから地震が発生し、家に被害がでたことで後悔をする人もいます。
後悔ポイント
- 壁に亀裂が入った
- 基礎が崩れた
- ドアが開かなくなった
口コミを見ると「うちの家だけ被害がでた」などの声も見られました。やはり近所と比較をする人が多くいるようです。
また打ち合わせのときに「建築確認済みだから安心してくださいと言われた」と、話す人もいました。残念ながらローコスト住宅を建てるハウスメーカーの中には、建築基準法を最低限クリアしているレベルだけの家も多く見られます。
耐震等級1をクリアすれば、建築基準法の耐震性能は満たしている水準です。建築基準法ギリギリで建てられた家は、震度6~7クラスの地震で損傷を受けるかもしれません。
「建築確認済み」を信じるのではなく、耐震等級を確認するようにしましょう。耐震等級3は、「壁」「床」「柱」「梁」など、多くの資材を強化しなければいけません。費用が必要です。家を支える基礎も重要になります。家族の命にも関わる問題なので事前確認をしっかりとしておきましょう。
後悔⑤契約が締結したら連絡がなくなった
契約を締結したら連絡が取りずらなくなったという口コミも多く見られました。ローコスト住宅は、いろいろなコストを削減しています。その中には人件費も含まれるのです。
質の良いローコスト住宅を建てるハウスメーカーは、必要な人件費をカットしません。しかし、質の低いハウスメーカーは一人の負担を重くします。契約をしたことで、後は現場に任せるといった考え方をする会社もあるようです。次の顧客獲得に全力を注ぐので、既に契約をした人をないがしろにします。
注意ポイント
住む人にとっては、建築中も重要です。打ち合わせと違う工事をしているかもしれません。現場の職人と話しても埒が明かないことなどざらにあります。希望と違う工事が進んでいるのに、なかなか連絡がつかず後悔をするようです。
口コミでは「契約前までは良い営業マンだったのに…」と言った内容も多く見られました。人件費のカットによるサービス低下です。契約をする前に「口コミにこういった内容があったのですが」など声をかけ、くぎを刺しておくことをおすすめします。
後悔⑥職人の態度が悪い
職人の態度が悪く後悔をした人も居るようです。口コミでは、職人の態度を疑問視する声がよく見られます。
後悔ポイント
- タバコの吸い殻がひどい
- 工具がちらかっている
- 路上駐車で近所に迷惑をかけている
- 「ちょっと見学してもいいですか」と声をかえたら嫌な顔をされた
まれに、職人が近所と揉めることもあるようです。知らずに入居した人は、周囲の冷めた態度に「何で?」と不思議に思います。理由は職人だったと後から知ることもあるようです。
職人気質だけなら我慢もできますが、技術力が劣る職人にもいます。外壁や断熱材などの施工には技術が必要です。施工次第で耐久性にも影響がでます。
依頼したハウスメーカーが職人に十分な施工期間と給料を与えていなければ、態度にでるかもしれません。無理なコストカットが質を落とします。
ポイント
工事が開始したら、できるだけ頻繁に見学することが必要です。近所に迷惑がかかりそうでしたら、声をかけるようにしましょう。
後悔⑦間取りに不満
住み始めてから間取りに後悔をする人も多く見られました。ローコスト住宅は規格住宅が多くなります。間取りの自由度が低くなるので、住み始めてから思い通りにならない間取りに後悔をするようです。
後悔ポイント
- キッチンが狭すぎる
- 部屋数が足りない
- 収納が足りない
間取りに後悔が生じる主な理由は、不十分な打ち合わせです。人件費をカットするため、打ち合わせ回数を極力減らすハウスメーカーもあります。聞きたいことが確認できす「安いから仕方ない」で決断をするのです。
ポイント
間取り図面を見ながら住み始めてからのシミュレーションをすれば避けられます。打ち合わせが不十分と感じた場合は他のハウスメーカーを検討するなど、変更も考えるべきです。
納得できない間取りは毎日をイライラさせます。絶対に避けなければいけない後悔です。
後悔⑧断熱性能が低い
住み始めてから暖房費が上がったと後悔をする人もいます。断熱性能と気密性能が低いためです。
断熱に関する技術は向上しています。しかし断熱性能を強化するにはコストがかかるのが問題です。優れた断熱材を厚くすれば断熱性能は上がりますが、使用量が増えることでコストがかさみます。
住まいを柱の外からすっぽりと包む外張断熱工法が断熱性能を向上させますがデメリットは価格です。ローコスト住宅で標準仕様にするのは難しく、多くは費用が抑えられる充填断熱を採用します。
注意ポイント
暖房費が高額になるだけならばまだマシです。断熱性能が低いと結露によりカビが発生するかもしれません。ひどい結露を見て後悔をする人もいます。
ただローコスト住宅でも優れた断熱性能を備えている商品もあるので安心をしてください。しかし実際に結露やランニングコストで悩んでいる人もいます。ローコスト住宅を建てるときは標準仕様の断熱材や工法を確認しておきましょう。
後悔⑨耐久性が低い
ローコスト住宅の耐久性に関する口コミもみられました。数年で建物がきしむなどの声もあります。
後悔ポイント
- 7年住んでいるが、トイレのドアがしっかりと閉まらず隙間がある
- 床がみしみしいう
- シロアリが発生した
- 年々断熱性が悪くなっている
「安かろう悪かろう」を語る人もいます。いかに安くても、長く住めなければ意味がありません。特に断熱性能の衰えに関する口コミが多く見られます。断熱材の施工に関しては職人の高い技術が必要です。断熱材が湿気で垂れ下がることで、住まいの断熱性能が失われていきます。
もちろん、優れた耐久性を備えたローコスト住宅を建てるハウスメーカーもあるので安心してください。耐久性に関しては実際に建てた人の評判を確認するしかありません。良い口コミが多く見られるハウスメーカーを選ぶようにしましょう。
後悔⑩アフターサービスが悪く保証期間も短い
アフターサービスが悪いことに後悔をする人もいます。また、保証期間も大手ハウスメーカーに比べるとローコスト住宅は短いです。ほとんどが「瑕疵担保責任の範囲内」で終了します。
後悔ポイント
- 家に不具合が発生したがどこに電話をして良いか分からない
- 電話をして担当者がきたのが2週間後
- 10年過ぎたら雨漏りがしだした
大手ハウスメーカーは、アフターサービスが充実しています。24時間対応や、専用のフリーダイヤルを備えるなど、建てた後のフォロー体制も万全です。保証に関しても、初期で30年を付けているハウスメーカーもあります。
ローコスト住宅がウリのハウスメーカーは、初期保証10年がほとんどです。最長30年のハウスメーカーもありますが、有償メンテナンスが絶対条件になります。
注意ポイント
国が定めているのは10年です。瑕疵担保責任による損害賠償請求権は引き渡しから10年後に消滅します。10年は、ちょうど不具合が発生する頃合いだと制度を責める声もありました。
依頼をする前にアフターサービスと保証期間の確認が必要です。後悔をしないためにも、事前に把握をしておきましょう。
まとめ

後悔ばかり説明をしましたが、ローコスト住宅に大満足している人も多くいます。ほんの一部の業者が利益を追求するあまり、質の低いローコスト住宅を建てるのです。
ローコスト住宅で失敗をしたくない人は、何をカットしているかの確認をしましょう。宣伝費や効率化によるカットはOKです。しかし利益を求めたことによる人件費のカットや、素材の質を落とすなどの行為は不安しかありません。後悔する可能性が高まります。
依頼をするハウスメーカーに「なんで安いの?」という質問をし、納得ができる回答が得られたら相談を始めるのがおすすめです。