販売や商品開発を続けるメーカーも増えています。将来を考え「設置をしようかな」と悩んでいる人の多くは、「でも高いでしょ?」と価格帯を気にするはずです。
自分たち専用のエレベーターを設置するのですから、価格帯は高額になるイメージを持ちます。ただ価格帯を気にされている人は、同時にメリットの確認も必要です。
設置の判断をするときは、価格帯とメリットを合わせて見るようにしましょう。
そこで今回は「ホームエレベーターって必要?価格帯やメリット10選」を解説します。ホームエレベーターの設置で悩まれている人は参考にしてください。
目次
ホームエレベーターの価格帯
ホームエレベーターの価格帯は「100万円台~400万円台半ば程度」です。価格帯に大きな差がありますが、主に次の項目が影響を与えます。
- ホームエレベーターの定員数
- 設置をする住まいの階数
- 設置をする住まいの構造(木造、鉄骨、RCなど)
- ホームエレベーターの種類(油圧式とロープ式)
- オプションの追加
先ほどの価格帯には設置工事の代金も含まれています。また上記の価格帯以外にも、別の支払いが必要です。
- 確認申請の提出費用:10万円程度
- ホームエレベーターのメンテナンス費用と法定点検費用:一年契で約4万円~7万円程度
- 使用する際の電気代:600円程度/月
- 固定資産税が上がる:2万円~3万円程度
ホームエレベーターの価格帯の他、上記のコストが必要です。これらの価格を支払ってもホームエレベーターをつけるだけのメリットがあるかを検討しましょう。住む人たちの状況によって価値観は変わります。
ホームエレベーターのメリット10選
ホームエレベーターのメリット10選は次のとおりです。
- 階段移動がなくなる
- 荷物の持ち運びが楽になる
- デザイン性の高いエレベーターが増えた
- 2階以上リビングとの相性が良い
- 複数人で階移動ができる
- 昔と比べ価格帯が安くなってきた
- 優越感が抱ける
- 将来が安心
- 自宅に住み続けられる
- 後で設置することもできる
詳しく解説をします。
メリット①階段移動がなくなる
階段移動がなくなるのは、ホームエレベーター最大のメリットです。
階段昇降は、トレーニングに採用されることもあります。それだけ体に負担がかかる移動ということです。ホームエレベーターは、家事などで1日に何度も階段移動が必要な人の負担を軽減してくれます。
ここがメリット
- 双子など、小さい子どもが複数人いても楽に移動ができる
- 車いすが必要な人でも楽に移動ができる
- 足のケガを患った人でも楽に移動ができる
「楽」もありますが、「安全」もメリットです。
例えば双子の赤ちゃん2人を、母親1人で抱えながら階段を上るのは危険です。転倒をしても手がふさがっているので、大惨事になることでしょう。
かといって1人ずつ抱きかかえながら階段を使用するのも大変です。ホームエレベーターを利用すれば、安全に移動ができます。
階段だから移動ができないという状況は、外出意欲をなくすので健康にもよくありません。普段から日光を浴びている人は、夜の熟睡に良い影響を与え情緒の安定にもつながります。
ホームエレベーターは、階段移動をなくすことで外出の機会を増やす設備です。大きなメリットのひとつと言えます。
メリット②荷物の持ち運びが楽になる
荷物の持ち運びが楽になります。特に3階建ての狭小住宅の場合は、リビングを3階にする間取りを採用する人も多いです。
スペースをできるだけ活用できるようにと、階段の設置にもさまざまな工夫をします。工夫したことで、階段の上り下りが大変になることもあるのです。
3階がリビングの場合、買い物をしたあとは毎回3階まで荷物を運ばなければいけません。家族の人数が多くなり、子どもが小学校の高学年になれば、多くの食材が必要です。
お米を持ち運ぶだけでも一苦労ではないでしょうか。お米が少なくなるのを見た時、思わずため息もつきたくなります。
電子レンジやテレビなど、新しく購入した電化製品も安全に運べます。夫婦2人がかりで運ばないと3階リビングに運べないものでも、1人で簡単に運べるメリットがあるのです。
荷物の持ち運びが楽になるのは、時間の余裕も生みます。ホームエレベーターを設置するメリットのひとつです。
メリット③デザイン性の高いエレベーターが増えた
最近のホームエレベーターはデザイン性の高い商品が増えました。トータルコーディネートの邪魔にならないデザインを選ぶことができます。
エレベーターと聞くと、機械的なイメージを持つかもしれません。デパートにあるエレベーターは、冷たいイメージが持てます。
機械的な設備で、自宅には適しません。しかしホームエレベーターのデザイン性は豊かです。商業施設で見るようなエレベーターとは違います。
- シンプルでモダン
- 和がイメージできるデザイン
- 木質素材をナチュラルに採用
たまに「エレベーターの臭いが苦手」と話す人もいますが、オプションなどにより臭いを抑える機能も用意されているので安心をしてください。ホームエレベーターには、家のテーマやデザインを損なわない用意があります。
デザイン性が高く、豊富なラインアップから選べるのはホームエレベーターのメリットです。設置の抵抗をなくしてくれます。
メリット④2階以上リビングとの相性が良い
建てる場所によっては、リビングの日当りを求めるため、2階以上のリビングを採用する場合があります。
先ほど、荷物の持ち運びが楽と解説をしましたが、それだけではありません。ホームエレベーターと2階以上リビングの相性は抜群です。
2階以上にリビングを設置する場合、下の階は寝室にするのが一般的、プライベートな空間になります。
もし自宅に友人を呼んだときは、プライベートの空間を見られる可能性が高まります。1階がリビングならば2階にある寝室が見られる心配はありませんが、2階以上がリビングの場合は、寝室を通過しなければリビングに上がれません。
ホームエレベーターを玄関わきに設置すれば、興味はホームエレベーターにしかいきません。すぐにホームエレベーターを利用し、隠したい場所を見られることなくリビングに行けます。
ホームエレベーターは、荷物の持ち運びなども含め、2階以上のリビングとの相性が抜群です。上の階にリビングを設置する人は、ホームエレベーターの検討をおすすめします。
メリット⑤複数人で階移動ができる
ホームエレベーターは、複数人で移動ができるメリットを持っています。介助が必要な人や、車いすで移動をする人と一緒に利用ができるのです。
ここがメリット
- 子どもと一緒に上下の移動ができる
- 高齢者など体に不安を抱える人と一緒に移動ができる
- 車いすが必要の人と一緒に移動ができる
高齢者の階段による事故は少なくありません。
また、介助する人を巻き込んで起きる事故もあります。一度踏み外せば、いくら介助する人が力持ちもで、大惨事になる可能性は高いです。事故が発生した後は、お互いに気を使います。良い関係性を損なうには十分な出来事です。
複数人で利用できるのはホームエレベーターのメリット、安心と安全が向上します。お互いのためにも、階段の利用に不安を抱えている人はホームエレベーターの設置がおすすめです。
メリット⑥昔と比べ価格帯が安くなってきた
ホームエレベーターが初めて発売されてから数十年が経過しました。最初の頃の価格帯は「500万円から600万円程度」、現在の倍以上です。
昔と比べ、ホームエレベーターはだいぶ安くなりました。モノが安くなる主な理由は次のとおりです。
- 新規の型が開発され旧型が安くなる
- 販売するメーカーが増えたことで競争が生まれる
- 利用する人が増えたので、メンテナンスや点検体制が取りやすくなった
ホームエレベーターの年間設置戸数は順調に上がっており、市場は大きくなりました。需要の高いメーカーで有名なのは「パナソニック」です。
新築着工件数のうちホームエレベーターを設置するのは2%と言われていますが、売り上げは100億円にせまります。多くの人がホームエレベーターに注目をし、設置をする人が増えたことから、価格帯にも影響がではじめました。
点検に関する年間契約も、契約者が増えれば価格競争が起きます。設置ができるハードルが下がることで、これからも人気が高まる設備です。
価格帯が安くなるのはメリットではないでしょうか。利用者が増えてきている人気の設備です。
メリット⑦優越感が抱ける
自宅にエレベーターがあるというのは優越感を抱けませんか。設置ができる人は、「成功者」というイメージが持てます。
ホームエレベーターは、お風呂やトイレ、キッチンのように絶対に必要な設備ではありません。なければ何とかしようと考えるので、余裕がなければ一番に削られます。
削らずにホームエレベーターが設置できるという人は、設置できるだけの予算が用意できる人です。今までの頑張りにより、「楽」と「安全」が手に入ります。ちょっとした優越感を抱くのは当然です。
ただ、自慢をすると周囲に嫌われるかもしれないので注意をしましょう。周囲に「うらやましい」と思わせることができる設備です。
自宅にホームエレベーターが設置できるのは、今までの働きがあったからこそではないでしょうか。優越感に浸るのも不思議ではありません。
メリット⑧将来が安心
ホームエレベーターを設置しておけば将来の安心につながります。次のような考えを持っている人はいませんか。
- 年を取ったあと、子どもたちに心配をかけたくない
- 子どもたちが独立したあとは「夫婦水いらず」でゆっくりと暮らしたい
年をとると、どうしても周囲は心配をします。「年老いた2人で大丈夫か?」など、子どもたちが心配するのも当然です。一緒に暮らそうと、ありがたい提案をしてくるかもしれません。
しかし上記のような考えを持っている人には、提案を受け入れたくない気持ちがあります。当人は拒みますが、子どもたちは不安により何度も提案をする状況です。
ホームエレベーターが設置されていれば、2人でも大丈夫という説得力が増します。将来への安心が上積みされる設備です。
メリット⑨自宅に住み続けられる
年を取ったあと病気やケガで入院をすると、自宅に戻らしてくれないケースも少なくありません。
本人としては、長年暮らした「我が家」に戻りたいと熱望しても、周囲が許してくれないことが多々あります。
施設を検討する可能性も高いです。しかし、ホームエレベーターがあれば、生活ができるという説得力を生みます。
長年住み続けた住まいで暮らせるのは、大切なメリットです。ホームエレベーターは最強のバリアフリーとも言えます。
メリット⑩後で設置することもできる
ホームエレベーターが必要になるのは、年齢を重ねてからかもしれません。20代で注文住宅を建てるときは、設置の必要がないと思われがちな設備です。
50年以上住み続けられる住まいを提案するのはハウスメーカーとして当然となってきました。20代の人も70代です。いつかはホームエレベーターが必要になることもあります。
注文住宅メーカーならば、後でホームエレベーターを設置する間取りの提案も可能です。ホームエレベーターを設置する前は、次のようにしておきます。
- 吹き抜け
- 収納
ホームエレベーターには、約1畳分のスペースが必要です。
1階と2階を、1畳分の縦の直線で結べる間取りを提案すれば、ホームエレベーターに変更することが容易にできます。あらかじめ法基準をクリアした間取りを設計しておけば問題ありません。
ただし、ホームエレベーターは助成金が出ないケースがほとんどなので注意をしましょう。
「いす式階段昇降機」ならば地方自治体によっては助成金を設けている場合があります。
将来のことを考えて注文住宅を建てることも可能です。建てるときは吹き抜けを採用し、いずれくる必要なときに備えておきましょう。
まとめ
「ホームエレベーターって必要?価格帯やメリット10選」を解説しました。
メリットを見た上で価格帯を再度確認してみましょう。高いと感じる人は、そこまで必要と考えていない人かもしれません。
価格帯は確かに高いですが、メリットを見る限り私には必要と思われた人には、ホームエレベーターの設置がおすすめです。
ホームエレベーターは需要が高まっています。市場が活発になれば、これから消費者に有利な展開になることが予想できる設備です。
同じことがホームエレベーターでも起きています。
ホームエレベーターが設置できる間取りにしておきましょう。必要となったときに、今よりも安い価格帯での設置が予想できる設備です。