ほとんどの人が嫌いなはずです。カサカサの肌、喉の痛み、恐ろしいウイルスの蔓延など、乾燥は人の健康に害を及ぼします。いろいろな対策を行うとは思いますが、やはり効果的なのは室内を加湿することです。冬場の室内に加湿器は欠かせません。
しかし利用をするのならばもっとも効果的に利用をしたいとは思いませんか?実は設置場所で加湿器の効果は変わります。肌により潤いを求めるのならば、もっとも効果的な設置場所に置くべきです。
そこで今回は「加湿器のもっとも効果的な設置場所10選」を解説します。おすすめの加湿器も紹介するので参考にしてください。
目次
加湿器の効果
加湿器は、住んでいる人の健康状態を維持することに効果がある空気調和設備です。
冬になると空気の温度が下がります。乾燥は、温度が下がると空気に含まれる水蒸気量が少なくなるといった空気の持つ性質が原因です。さらに多くの人は、部屋が寒いので暖房機器を急激に利用します。
暖房機器により室内の空気の温度が急激に上昇することで、室内の水蒸気量は変わらないのにも関わらず空気が含める水蒸気量が増えることで相対的に湿度が下がり、さらに乾燥を引き起こすのです。では室内が乾燥することで、どのような影響が起きるのでしょうか。
乾燥の影響
- ウイルスの飛散が増え、病気になるリスクが高まる
- 喉内部にある線毛の働きが鈍くなることで病気になりやすい体になる
- 肌に悪い
部屋の中を加湿することで、乾燥による健康被害を防げます。加湿器は、部屋を加湿するために必要な設備です。しかしただ設置をすれば良いわけではありません。
加湿器のもっとも効果的な設置場所を知り、できるだけ影響がでやすい使用方法を実践することが大切です。
加湿器のもっとも効果的な設置場所10選!
それでは、加湿器のもっとも効果的な設置場所10選を詳しく解説します。加湿は、住まいの大敵である結露を発生させる恐れもあるので、設置場所には注意が必要です。
壁や窓から離れた場所
加湿器をもっとも効果的に利用するのならば壁や窓の近くに設置をしてはいけません。窓や壁に結露が発生するので、住まいにも悪影響を及ぼします。壁や窓のそばに設置をしてはいけない理由は次のとおりです。
- 壁や窓は寒い外気の影響を受けやすい
- 加湿器で作られた大量の水蒸気を含んだ暖かい空気が、冷たい窓に触れることで結露になる
- 結露により室内の水蒸気量が増えない
- 結露によりカビなどが発生し住まいの耐久性が落ちる
壁や窓の近くに設置場所を選んだだけで、住まいの耐久性にまで影響がでるかもしれません。他にもカーテンが湿ることで、カビを発生させることもあります。白いキレイなレースに黒いカビが付着している状態は不快です。
また、外気の影響で加湿器のセンサーが誤作動を起こす可能性もあります。加湿器の効果も半減以下になるので、できるだけ壁や窓から離れた場所に設置をしましょう。
電化製品から離れた場所
加湿器をもっとも効果的に利用するのならば、電化製品の近くに設置をしてはいけません。
テレビなどの電化製品は、水との相性が悪く故障の原因になる可能性が高いです。また、水蒸気が電化製品に付着することで、ホコリが付きやすくなります。ホコリも、水と同じくらい電化製品にはよくありません。
しかし、電化製品の近くに加湿器を設置する人は多いです。理由はコンセントの位置、コンセントの周りには電化製品が集まります。加湿器の利用にも電源が必要です。電源のことを考え、電化製品の近くに設置するのです。
電化製品が、水蒸気を含んだ空気を結露に変えることもあります。加湿器の効果を下げるので、できるだけ電化製品からは離すようにしましょう。
木製家具から離れた場所
木製家具にも結露が発生する可能性があります。できるだけ木製家具から離れた場所に設置することがおすすめです。
木製家具は湿気がたまりやすく、カビが発生しやすくなります。引っ越しの際に、壁とタンスといった木製家具の間がビショビショになっている状態を見たことはありませんか?カビが発生し、利用ができなくなります。
過度な加湿が原因で結露が発生することもありますが、被害を受けるのは電化製品や木製家具です。適度な調整ができない加湿器を利用する場合は注意をしましょう。
本棚から離れた場所
本棚、もしくは新聞紙など紙を保管している場所からも離すようにしましょう。紙が水蒸気を吸収します。水蒸気が吸収されることで加湿器の効果が弱まるのです。また他にもデメリットがあります。
デメリット
- 本が破ける
- 乾いても本に濡れた形跡が残る
- 本棚にカビが発生する
学習机に加湿器を設置して教科書をダメにした子どももいます。ウイルス対策のために設置した加湿器が、勉強に必要な教科書をダメにするのは本末転倒です。
換気扇から離れた場所
換気扇の近くに加湿器を設置するのはおすすめできません。換気扇の役割は室内の空気を排出し入れ替えることです。換気扇の近くだと、加湿器により加湿された空気がすぐに外へ排出されます。効果が薄れるのは当然です。
換気扇と聞くとキッチンを思い出しますが、24時間換気がある場所も含まれます。2003年の建築基準法改正により、24時間換気システムは義務化されました。最近は多くの家で24時間換気システムが設置されています。加湿器を設置するときは、部屋の換気扇に注意をしましょう。
床から離れた場所
換気扇を効果的に活用したい場合は、直接床に置かないようにしましょう。少なくとも床から噴出口の間に50cm~100cm程度の高さが必要です。
高さが充分でない時
- 床は低温なのでセンサーが加湿十分と判定するかもしれない
- 床に結露ができる
空気の性質上、暖かいのは上に行き冷たいのは下に行きます。エアコンは天井の近くに設置されるのが一般的、室内の床が暖まるのは遅いです。
床の近くから水蒸気を含んだ暖かい空気を発生させても、床付近の寒さですぐに水蒸気となり床に結露が発生します。結露により、室内の湿度が上がらないのです。
ただし高すぎると天井で結露が発生するかもしれません。暖かいので加湿された空気はかなり上まで飛びます。直接床に置くと効果が薄れますが、高すぎても効果的ではないので注意をしましょう。
部屋の中央
今までの内容から、リビングにおける加湿器のもっとも効果的な設置場所は中央だということがわかりました。
壁や窓、木製家具や本棚、換気扇などから離れている場所は部屋の中央です。部屋の中央に台などを置き、その上に加湿器を置くのが効果的な設置場所といえます。ただリビングの中央となると、いくつかの問題も生じるはずです。
リビングの中央に設置する時
- 部屋のど真ん中に置くスペースがない
- 無理に置いたとしても邪魔
- 電源の確保が難しい
注文住宅を建てる際、もともと加湿器のことを考えて間取りを提案していれば解決できますが、ほとんどの人が気にしてないはずです。伸びた延長コードや中央にある台が家事動線の邪魔をするかもしれません。
加湿器のもっとも効果的な設置場所は部屋の中央ですが、無理な間取りも多々あります。無理な場合は、加湿器の空気が部屋全体に広がる工夫が必要です。
加湿をエアコンの風が運べる場所
加湿器を利用する時期は、乾燥が酷い冬場が大半です。室内では一緒にエアコンを利用する人もいます。エアコンを利用する人は、加湿された空気をエアコンの風で部屋中に運ぶようにしましょう。
先ほど説明をしましたが、部屋を暖めることで空気の水蒸気量が増えます。エアコンの暖かい風に直接加湿をすることで室内の水蒸気量を維持する方法です。
ただし加湿器本体にエアコンの風が当たると、センサーが誤作動を起こすかもしれません。本体にあてず加湿器によって作られた水蒸気が当たる場所に設置をすることが大切です。
シーリングファンやサーキュレーターとの相乗効果が期待できる場所
エアコンを利用していない家の場合は、シーリングファンやサーキュレーターを利用して相乗効果を得ましょう。シーリングファンやサーキュレーターの近くに加湿器を設置することで、加湿された空気を部屋中に広げます。
最近は賃貸でも空気を循環させるため設置をする人が増えました。室内の空気環境にこだわる人が増えています。サーキュレーターも同様です。
役割は2つとも空気を循環させ流れを作ること、部屋の中の温度によるムラをなくし快適に過ごせるようにします。加湿器から発生した湿った空気を部屋全体に循環させるには、どちらかの利用がおすすめです。部屋の空気の流れを見定めれば、結露を発生させることなく加湿器が利用できます。
寝室は寝床から離れた場所
寝室で加湿器を利用する場合は寝床から離れた場所が最適です。部屋の中央や設置する高さは基本的に同じですが、寝床に近いと次のような問題が発生します。
寝床に近い場所に設置する時
- 寝ているとき直接肌に水蒸気が当たることで、蒸発する際に肌の水分が奪われる
- 夜にエアコンが切れ室内が冷え始めると結露が発生する
- 布団が湿ることでカビやウイルスが発生する
加湿により肌が潤うと思われるかもしれませんが、寝ている間についた肌の水蒸気が蒸発することでカサカサになります。良かれと思っていることが逆効果になることもあるのです。
また、冷えた寝室で加湿器を利用すると結露が発生しやすくなります。寝床のそばに加湿器を置いておくと布団が湿っぽくなるかもしれません。エアコンをタイマーで利用するときは、だいぶ前の時間に加湿器も切れるようにしておきましょう。
寝室で利用するときは、中央に設置するのが難しいです。小さいサーキュレーターとエアコンを上手に利用することで、効果的な活用をしましょう。
おすすめ加湿器の紹介
加湿器には加湿の方法によりタイプが5つに分類されます。加湿器を選ぶときはタイプの確認も重要です。
加湿器のタイプを紹介
加湿器は主に次の5つに分類されます。
一加湿器のタイプ
- スチーム式:水を沸騰させ発生する蒸気で加湿
- 超音波式:水を超音波で振動させ霧状に放出することで加湿
- 気化式:水を含んだフィルターに送風することで加湿
- ハイブリッド式(加熱超音波式):暖めた水を超音波で振動させ霧状に放出することで加湿
- ハイブリッド式(温風気化式):水を含んだフィルターに暖めた風を当てることで加湿
それぞれにメリットとデメリットがあります。
スチーム式
加湿量が高く、煮沸消毒されることから衛生面も問題ありません。ただ水を沸騰させるので子どもがやけどをする恐れがあり、消費電力も高いです。
超音波式
ヒーターを利用しないので消費電力が低く、騒音もあまり気になりません。ただ放置をすると水に雑菌が繁殖するので、こまめな手入れが必要です。
気化式
消費電力が低く熱も発生しないことから安全面に優れています。ただ加湿されるスピードが遅く、排出される空気が冷たいです。またフィルターの交換や手入れが必要になります。
ハイブリッド式(加熱超音波式)
水を加熱するので衛生的です。ただ消費電力が高く、フィルターの手入れが必要になります。
ハイブリッド式(温風気化式)
温風で排出するので気化式よりも効率が良いです。ただ消費電力が高く、本体価格も高額な商品が多くなります。また定期的な手入れが必要です。
どのタイプにもメリットとデメリットがあります。自分の性格に合ったタイプを選択することが大切です。
おすすめの加湿器
タイプ別におすすめ加湿器を紹介します。
スチーム式でおすすめの加湿器
スチーム式でおすすめの加湿器は「山善 AKS-GA25-W」です。デザインも良く、コンパクトサイズなので机にも設置ができます。7時間まで連続運転ができ、加湿量も約360 ml/時と高いです。部屋の広さは木造で6畳程度、仕事部屋や勉強部屋などにおすすめします。
超音波式でおすすめの加湿器
超音波式でおすすめの加湿器は「プラスマイナスゼロ ±0 超音波加湿器 C011」です。機能性に優れているにも関わらずデザイン性も高く、洋室でも和室にも合います。アロマトレーもあるので、好きな香りも楽しめるのがポイントです。加湿時間は最大8時間、加湿量は約300ml/時、約5畳程度の部屋におすすめします。
気化式でおすすめの加湿器
気化式でおすすめの加湿器は、「Panasonic ヒーターレス気化式加湿機 FE-KXT07」です。ナノイーを合わせて放出することで潤い効果がアップします。フィルター清潔モードを利用すればお手入れも簡単です。加湿量は約700ml/時、広いリビングでも利用ができますが本体価格が3万円を超えています。
ハイブリッド式(加熱超音波式) でおすすめの加湿器
ハイブリッド式(加熱超音波式) でおすすめの加湿器は、「エレス LsHumidifier」です。機能性が高く、デザイン性にも優れています。加湿量は最大約350ml/時、アロマパッドも利用が可能です。広さは木造で約6畳に対応しています。
ハイブリッド式(温風気化式)でおすすめの加湿器
ハイブリッド式(温風気化式) でおすすめの加湿器は、「三菱重工 SHK70SR」です。運転音が静かで、就寝時でも気になりません。加湿量は約700ml/時、木造ならば12畳の広さまで対応できます。連続加湿時間は最大6時間です。
まとめ
乾燥は身体に良くありません。室内を心地よくするには、加湿器を効果的に利用することが大切です。
効果的に利用をするためにも性能を最大限発揮できる設置場所の熟考と、自分に合ったタイプの加湿器選びに時間をかけましょう。家族の健康を守るためにも、乾燥が酷い時期の加湿器は必要な設備です。