注文住宅の坪単価が予定以上に高額なことで悩んでいる人はいませんか?少しでも下げたい人は施主支給がおすすめです。
ハウスメーカーにすべてを任せるのは楽ができます。しかし坪単価をできるだけ抑えたいのならば任せるだけではなく、自分で買うなど安くできる工夫に取り組むことも必要です。
ただし施主支給はメリットとデメリットがあります。施主支給を検討している人は行動を起こす前に確認をしておきましょう。
そこで今回は「カーテンや照明は施主支給で節約を!自分で買うメリット・デメリット10選」を解説します。坪単価を少しでも安くしたい人は参考にしてください。
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施主支給とは?
施主支給とは、ハウスメーカーに代わり自分で設備を発注して、施工会社へ支給することを指します。
通常はハウスメーカーがすべての段取りをつけますが、事前に相談をして自分が行う方法です。ただし、施主支給を嫌がるハウスメーカーもいるので注意をしましょう。全面的に断るケースや設備ごとにOKをだすなど、ハウスメーカーによって対応は異なります。
カーテンや照明以外に施主支給がおすすめの設備
カーテンや照明は、いざとなれば自分でも取り付けることができるので、施主支給に向いている設備です。基本的に大掛かりな工事の必要がない設備は、施主支給に向いています。
自分で買う方法がおすすめの主な設備は次のとおりです。
おすすめ
- タオルリング
- トイレットペーパーホルダー
- エアコン
- 家具
- 火災報知器
上記以外でも、自分で簡単に設置のできる設備は施主支給に向いています。
施主支給を避けた方が良い設備
逆に避けた方が良い設備は次のとおりです。
施主支給を避けた方が良い設備
- システムキッチン
- ユニットバス
- トイレ
自分で買うことのできる設備でも、施工に関して業者へ依頼した方が良い設備は、施主支給に向いていません。配管や配線が複雑です。住み始めてから故障が発覚した場合はメーカーに修理が必要になりますが、保証などの責任追求が難しくなります。
こだわりだい人もいるでしょうが、できるだけ施主支給は避けるべきです。
カーテンや照明を自分で買うメリットとデメリット10選
カーテンや照明を自分で買うメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット4選
- 費用がおさえられる
- 選択肢が増える
- メーカーや機能性のこだわりをかなえられる
- 完成した室内を見てから選ぶことができる
デメリット6選
- 断られることもある
- こだわり過ぎると高額になる
- 段取りなどいろいろな手間がかかる
- トラブルが発生することもある
- 設備保証の適用外になる
- 自己の責任を問われることもある
詳しく解説します。
施主支給のメリット①費用がおさえられる
冒頭でも紹介したとおり、施主支給の一番大きなメリットは費用が抑えられることです。カーテンや照明はハウスメーカーに依頼をすると高くつきます。自分で買うことで安く抑えられる理由は中間マージンの排除です。
中間マージンとは、仲介業者への手数料を指します。カーテンや照明が注文住宅に設置されるまでの流れは次のとおりです。
メーカー→問屋→販売店→ハウスメーカー→注文住宅へ設置
一概に全ての流れが上記に当てはまるとは言えませんが、ひとつの設備に対しいろいろな会社を挟みます。すべて違う会社なので、それぞれが利益を求めるのです。ひとつの設備に携わる会社が多くなるだけ、利益を求める人が増えます。つまり矢印の数だけ金額が上がるというわけです。
中間マージンの金額は公開されません。無理に増やそうと考える悪徳業者にあたると、どんどん高額になる無用の手数料です。
カーテンや照明を自分で買うと中間マージンの発生が抑えられます。矢印の数を減らすことができるのです。よほど高級な設備を選ばない限りは、だいぶ安く抑えられます。
自分で買う最大のメリットは費用が抑えられることです。
施主支給のメリット②選択肢が増える
施主支給は選択肢が増えるのもメリットです。自分で買うわけですから、好きなお店から購入ができます。最近はオンラインにより、さまざまな品物が安く購入できるようになりました。カーテンや照明もネットで購入のできる時代です。
ハウスメーカーで依頼をすると選べるのは提示されたカタログの中だけ、非常に狭い範囲で選ばなければいけません。デザイン性を重視する人だと、気に入る商品がないこともあります。選択できる範囲を増やさなければ解決しません。そこで活躍するのが施主支給です。
ネットだけでなく、専門店での購入もできます。気に入るデザインが見つかるまで探すことも可能です。
ポイント
一言でカーテンと言っても、いろいろな種類があります。「ドレープカーテン」「レースカーテン」「カフェカーテン」「シェードカーテン」「ロールスクリーン」など、まだまだ他にもあり種類は豊富です。照明にもいろいろなデザインがあります。
狭い範囲で探すよりも選択肢が増えるのはメリットです。
施主支給のメリット③メーカーや機能性のこだわりをかなえられる
こだわりはデザインだけではありません。むしろデザインよりも機能性にこだわる人もいます。「カーテンに機能性があるの?」と思われている人はいませんか。カーテンは生地によって機能性が変わります。
カーテンの機能性
- 遮光性
- 透過性
- UVカット
- 遮音性
- 防災性
上記はほんの一部です。ほかにもさまざまな機能があります。室内のプライバシーを守りたい人はミラー調レースがおすすめです。花粉地策に効果的な機能を備えた生地もあります。ハウスメーカーの用意したカタログからは選べない可能性が高い機能です。
照明も同様にいろいろな機能を有した商品があります。空気清浄機能が搭載された照明も販売が開始されました。機能性にこだわりたい人には施主支給をおすすめします。
施主支給のメリット④完成した室内を見てから選ぶことができる
カーテンや照明は自分でも付けられることから、完成した後でも設置ができます。間取りだけではイメージが湧いてきません。実際に室内の完成を見た後に、デザインを考えることが可能です。
カーテンや照明が原因で、思っていたとおりの室内のイメージにならなかったと後悔をする人もいます。カーテンや照明が違うだけでイメージが極端に変わることもあるのです。完成後に自分で買うことで後悔を防げます。
施主支給のデメリット①断られることもある
カーテンや照明では限りなく低い可能性ですが、施主支給を断るハウスメーカーもあります。施主支給はハウスメーカーの業務を代わりに行うので、事前に相談をしなければいけません。相談をしたときに断るハウスメーカーもあります。
断る理由はハウスメーカーにメリットが一切ないからです。ハウスメーカーの仕事を依頼主が行うのだからメリットはあるでしょ?と思われるかもしれませんが、部分的に手をだされると逆に手間が増えます。ハウスメーカーの立場から見たデメリットは次のとおりです。
メリット5選
- 中間マージンが入らない
- 普段の工事とは違う点を施行会社や職人に引き継ぐ手間ができる
- 施行会社は普段と異なる工程に注意しながら作業を進めなければいけない
カーテンレールや照明の取り付けぐらいならば大きな段取り変更にはなりませんが、普段と異なる作業工程にはついうっかりもつきまといます。依頼されていたのに伝達ミスが起きればハウスメーカーの責任が問われるかもしれません。できれば普段と違う工事を受けたくないと思う気持ちにも理解ができます。
考察
施主支給はハウスメーカーにとってデメリットです。しかし受けないハウスメーカーがあるのならば、逆に積極的に受けることでサービス向上の助けにもなります。もしかすると心の中では面倒と思いながらも受けているかもしれません。
カーテンや照明で断れる可能性は低いですが、可能がゼロではないことはデメリットです。
施主支給のデメリット②こだわり過ぎると高額になる
先ほどメリットで坪単価が安くなると説明しましたが、必ずしも安くなるとは限りません。カーテンや照明の質にこだわり過ぎると、価格が上がります。トータル的な費用が上昇するかもしれません。
照明設備に「タウンライト」や「間接照明」を求めている人はいませんか。設置に特別な工事が必要になります。施主支給で他の工事業者を入れるとなると価格が上がるかもしれません。
追加工事が必要な照明を求めている人は、まずハウスメーカーに相談をしましょう。価格を提示してから検討する必要があります。
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施主支給のデメリット③段取りなどいろいろな手間がかかる
施主支給は言い方を変えると依頼主のわがままです。先ほど説明したとおりハウスメーカーにはデメリットしかありません。段取りなどは自分で行う必要があります。
まずどこまで自分が手を出すべきかの確認が必要です。施主支給の基本は設備の手配まで、約束した日に現場へ設備を持ち込み設置をしてもらいます。楽な方法は完成後、自分で設置工事を行う方法です。引き渡し後の作業なので、段取りをとる必要がありません。
しかし設置を依頼する場合は次の手間が発生します。
依頼する場合の手間
- 受け渡し場所の相談が必要
- 設備の納品日時の指定を守らなければいけない
自分で買うまでは簡単です。しかし、受け渡しの相談が必要になります。現場は工事をしているので、早く納品されても置き場に困るかもしれません。受け渡しの日時を現場から指定されることもあります。タイミングが限られてくるのが面倒です。
注意ポイント
「購入したお店から時間指定で直接配達しれもらえばいいだけでしょ」と思われるかもしれませんが、なかなかうまくいきません。作業中の現場への配達を断られるケースもあります。作業中の人に渡してくれればいいという曖昧な依頼は、配送会社にとってはイレギュラーです。トラブルを回避するためにも、受けないことをよしとするお店もあります。
スムーズな段取りをつけるには、自分で動くしかありません。配達の日に現場で待つか、事前に自宅で設備を受け取り、指定された受け渡し日時に持ち込むかのどちらかです。どちらにせよ、自分が動かなければいけません。相談回数の増加や自分で動く手間がかかるのがデメリットです。
施主支給のデメリット④トラブルが発生することもある
施主支給はトラブルが発生することもあります。トラブルが発生したときに責任の追及をするのが面倒です。
よくあるトラブル
- 照明が故障していた
- 誰が付けたかわからないキズや汚れが付いている
厄介なトラブルが設備の故障です。引き渡し後に確認をしたら照明がつかなかったといった場合、どこを疑うべきでしょうか。他の部屋の照明はつくのに、一つだけつかないといった場合は、電気工事が問題とは考えられません。おそらく自分で買った照明が壊れています。
しかし完成後の確認なので、購入から数週間が経過している状況です。保証で対応できれば良いですが、落とした衝撃での故障となれば保証規定により対象外と判断されます。
では配送業者に責任を追求すれば良いでしょうか。認める可能性は非常に低いです。施工業者もまず責任を取りません。
設備などについたキズや汚れも同様です。頻繁に発生するわけではありませんが、万が一トラブルが発生したときは追求ができません。施主支給をしていなければハウスメーカーに確認ができます。
施主支給のデメリット⑤設備保証の適用外になる
ハウスメーカーが設備に独自の保証をプラスしている場合もあります。設備保証10年など、設備メーカーよりも長い保証期間です。保証する設備の中に照明を含んでいる場合もありますが、施主支給を選択すると当然ですが照明は除外されます。
設備の10年保証は魅力です。メーカーの保証を遥かに超えています。設備保証の適用外になるのはデメリットです。
施主支給のデメリット⑥自己の責任を問われることもある
トラブルが発生した場合は自己の責任を問われることもあります。自分で買った設備が指定された日までに届かなかった場合は、ハウスメーカーに問題はありません。配達業者に責任を追求しても、後日謝罪とともに配達されて終了です。工事が遅れた責任を配送業者が負うことはありません。
注意ポイント
ハウスメーカーより、「工事の遅れは施主支給の設備が届かなかったのが原因」と言われたなどの口コミもありました。悪い業者はスムーズにいかなかった原因を施主支給にすることもあるようです。せっかくの注文住宅なのに暗い気分になるかもしれません。
施主支給を行うときは、できるだけ自分が動きトラブルの回避ができるようにしておきましょう。
まとめ
デメリットの方が多く見られましたが、内容的にはメリットの方が大きいと言えます。坪単価が安くなった上に、自分の好きなカーテンや照明を設置できるのですから嬉しい限りです。
ただ上手に進めるためにも、カーテンや照明の設置は引き渡し後をおすすめします。もし工事中に進めるのならば、できるだけ自分が動くようにしましょう。イレギュラーな配達や工事を嫌がる会社があるのも事実です。
ハウスメーカーにまかせっきりが一番楽ですが、注文住宅の依頼は人生のメインイベントと言っても過言ではありません。より良い住まいを実現させるためにも、施主支給の検討をおすすめします。