「まずは良い土地を購入しよう!」と探し始めたが、「どの土地も魅力的に見えて困る」と悩んでいる人はいませんか?候補がいくつもあって困っている人は、そもそも「良い土地とは何なのか」が分かっていない可能性が高いです。「良い土地」とは「やめた方がいい土地」を避けること、買うべきではない土地のポイントを知ることで見えてきます。家を建てる前の土地探しは、注文住宅で間取りを検討するよりも重要です。
そこで今回は「やめた方がいい土地10選!絶対に買うべきではない土地の見分け方」を解説します。土地の購入で成功をするためにも、これから購入をする人はぜひ参考にしてください。
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目次
やめた方がいい土地10選
「やめた方がいい土地10選」は次のとおりです。
- 道路に面していない角地
- セットバックが必要な土地
- 消火栓が目の前のある土地
- 周辺の土地より低い
- 不整形地
- アクセスや住環境が不便な土地
- 抵当権付きの土地
- 境界線が曖昧な土地
- 災害に弱い土地
- 地盤が脆弱な土地
なぜ「やめた方がいい土地」なのかを解説していきます。
道路に面していない角地
角地はメリットが多く選びたい土地に思われるかもしれませんが、道路に面していない角地はやめた方がいい土地です。
「建築基準法」では住宅のどこか1面が、幅員4m以上(特定行政庁が指定した区域内では6メートル以上)の道路に接していることを規定しています。接していない場合は建築基準法で定められた道路に接する2m以上の道路を、建て主が用意しなければいけません。これを「接道義務」と呼んでいます。「接道義務」が生じた場合は、「建ぺい率」と「容積率」に影響がでるので、敷地を最大限活かして家を建てることができません。
角地は多くのメリットがあります。
- 日当りの良い注文住宅が建てられる
- 隣を気にしないため間取りの自由度が上がる
- 資産価値が下がらない
- 人目につきやすいので、防犯面に優れている
角地のメリットを知っている人は多くいます。しかし道路に面していない角地は、メリットを半減以下にさせるのです。「角地は良い」という情報だけで飛びつかないようにしましょう。土地の広さが十分でないのならば、やめた方がいい土地です。
セットバックが必要な土地
セットバックとは建築基準法の規定を守るために、注文住宅を「後退」させて建てることを指します。接道が幅4m未満の道路の場合はセットバックが必要です。セットバックをした分、建てられる敷地が狭くなります。
ではなぜセットバックをしなければいけないのでしょうか。
- 緊急車両を通すため
- 自然災害時の避難経路を確保するため
- 火災発生時の避難経路を確保するため
すべては万が一のとき、人命を第一に考えた規定です。セットバックが必要な土地で拒むことはできません。セットバックに関する主な注意点は次のとおりです。
注意ポイント
- 私道であっても道路にあたるので駐車場として利用ができない
- 塀やフェンスなども設置できない
- 行政によってはセットバック部分を買い上げてくれる場合もあるが無償提供がほとんど
- 行政によっては無償提供も受けてくれない場合がある
- セットバックに関する費用は自己負担になる場合が多い
- セットバック分の非課税申告を忘れると固定資産税が高くなる
セットバック済みと言われた土地でも念のための確認が必要です。本当に建築基準法上で問題がないのかプロに見てもらうようにしましょう。セットバックが必要な土地はやめた方がいい土地ですが、デメリットを考慮した上で、それでも良い土地ならば検討をするできです。絶対に買うべきではないとまでは言い切れません。
消火栓が目の前のある土地
消火栓が目の前にある場合はやめたほうがいい土地です。消火栓の周囲は「道路交通法第45条第1項」により、5m以内の駐車が禁止されています。自分が購入した土地の自由が制限されるのです。5m以内には、車庫や駐車場を作ることができません。車庫は道路に面した場所に設置したいと考えるのが一般的です。消火栓も道路にあります。つまり消火栓の位置により、理想的な間取りが実現できない可能性が高まるのです。
近くに消火栓があるときは、5mの範囲を確認しておきましょう。絶対に買うべきではない土地とまではいえませんが、あまりおすすめはできません。
周辺の土地より低い
周囲の土地と比べ、明らかに低い場合はやめた方がいい土地です。低い土地は、水がすぐに集まります。浸水する可能性が高いため、絶対に買うべきではないです。低い土地には、主に次のような不安があります。
- 周囲に比べて低いと湿気が集まりやすい
- 大雨によりすぐ家が浸水被害を受ける
- 水や湿気により建物の耐久性が損なわれる
近所の雨水が全て流れこんできます。住まいは水はけをよくするため、道路よりも高く建てるのが一般的です。周囲の土地より低いと、雨水が自分の家を通り道路にでます。あまり良い気分ではありません。マンホールから水が溢れている状況をニュースで見たことはありませんか。低い土地の近くでマンホールがあふれたら甚大な被害を受けます。
不整形地
不整形地とは、長方形や正方形に整っていない土地を主に指します。「旗竿地」「L字型」「三角型」「崖地」「傾斜地」などは全て不整形地です。土地としての評価が下がるので、購入価格や相続税、固定資産税が抑えられますがデメリットも多くあります。
- 希望の間取りが実現できない
- 建ぺい率や容積率により制限される
- 建てにくい土地だと建築費が高くなる
価格が安いからといって購入をすると、トータルで金額が上がるかもしれません。機材の搬入ができない土地では人が運びます。工期が長くなり費用がかさむのです。間取りの希望を断念した上に、費用が高騰したら目も当てられません。
不整形地はやめた方がいい土地です。ただハウスメーカーとよく検討した結果、価格も含め希望の住まいが建つのならば問題はありません。しっかりと細微にわたり確認をするようにしましょう。
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- 最寄り駅まで時間がかかる
- 近くにスーパーがない
- 近くに子どもの夜間診療を受ける病院がない
- 車がないと不便
- 街灯がないので夜は真っ暗
- 近くに迷惑な人が住んでいる
若いうちはアクセスが悪くても大丈夫と考えるかもしれませんが、年をとってからが苦痛です。また、スーパーが離れているとコンビニを多用するかもしれません。コンビニの多用は家計を圧迫します。近くに病院がないのも万が一のときに不便です。車がないと不便な場所で暮らすと、年老いてからが大変になります。
今の自分に大丈夫でも、先はわかりません。アクセスや住環境が不便な土地は、絶対に買うべきではない土地とまでは言い切れませんが、やめた方がいい土地です。
抵当権付きの土地
抵当権付きの土地を購入した結果、トラブルに発展した事例があります。抵当権付きの土地はやめた方がいい土地です。
さらに詳しく
抵当権とは、住宅ローンなどでお金を借りる場合に付けられる、自己の債権を返済させるための債権者の権利です。
ローンの返済が滞ったときは、債権者が競売を行うことで債権の回収ができます。抵当権が付いている土地のまま購入をすると、何も悪いことをしていないのに所有権を失うこともあるのです。もし抵当権が付いたまま土地を購入すると売主が返済を滞った場合、買主は何もしていないのに土地を失います。「土地の抵当権は外すから」という売主の言葉を信じて購入した人が、トラブルに見舞われることもあるので注意をしましょう。
本来土地を購入するときは、司法書士が立ち合います。売主が立ち合いを拒む場合は危険です。土地を売った代金が、借入金の返済に足りない可能性があります。特に個人で売買をするときは注意をしましょう。抵当権が付いている土地は、絶対に買うべきではない土地です。
境界線が曖昧な土地
昔から、土地の境界線をめぐるトラブルはよくあります。古くから建っている住まいは、塀などが無い場合も多く境界線が曖昧です。図面と実際の土地がズレているケースも少なくありません。曖昧のまま購入をするとトラブルに発展します。
ただし土地の売買を行う場合は、売主は買主に対し境界を明らかにする義務があるので安心をしてください。測量士や土地家屋調査士が作成した図面により、現地で境界線を確認する義務があります。明確にしておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
災害に弱い土地
災害に弱い土地は、やめた方がいい土地です。当然だと思われるかもしれませんが、見逃している災害もあります。災害とは「暴風」「竜巻」「豪雨」「豪雪」「洪水」「崖崩れ」「土砂流」「高潮」「地震」「津波」「噴火」「地滑り」などです。地震は気にしているのに、豪雨を見落とすかもしれません。万が一自然災害が発生した場合でも、回復が早い土地を選ぶべきです。
災害に弱い土地は絶対に買うべきではありません。
地盤が脆弱な土地
地盤が脆弱な土地は、やめた方がいい土地です。地盤が脆弱だと、追加工事が必要になります。土地の購入価格が安いからといってすぐに契約をすると、地盤工事で痛い目をみるかもしれません。
安心した住まいを建てるのにトータルでいくらかかるかを調べてから購入をしましょう。
絶対に買うべきではない土地の見分け方
やめた方がいい土地の内容がわかりました。次は、絶対に買うべきではない土地の見分け方です。土地を探すときは、見分け方に意識して探すことをおすすめします。
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現地を確認する
現地の確認は見分け方の中でも最重要ポイントです。現地を見ることによって、「やめた方がいい土地10選」のほとんどを避けることができます。現地を確認するときは次の点に注力をしましょう。
- 「やめた方がいい土地10選」で解説をした道路の状況や不整形地を確認
- 周辺に住環境を損なう施設や住人がいないか
- 日当りや風通りの確認
現地の確認は1度ではなく、朝・昼・晩と時間をわけで数回行うようにしましょう。時間帯で見える内容が変わります。また、周辺に「いかがわしい事務所」「火葬場や葬儀場」「臭いや騒音を発生させる施設」などがないかの確認が必要です。子どもが小さい場合は、小学校の通学路も確認しておきましょう。スーパーや病院の確認も大切です。
Googleマップで済ませてはいけません。Googleマップが古い場合もあります。また、画面だけでは伝わってこない詳細もあるので、面倒でも必ず現地へ何度も足を運ぶようにしましょう。現地確認は見分け方の最も大切なポイントです。
地目を確認
地目(チモク)とは、認定された土地の用途を意味します。地目を確認することで、その土地が以前何に使用されていたかを知りましょう。地目は土地の登記で確認ができます。途中で変更もできますが、登記簿を見れば過去の用途もわかるのがポイントです。
地目は全部で23種類ありますが、基本的に「宅地」と書かれている土地を選ぶようにしましょう。ただし「宅地」以外でも「山林」「原野」「雑種地」ならば注文住宅を建てることができます。しかし注文住宅を建てたあとに、地目変更登記が必要です。建てる前に変更はできないので、購入者がしなければいけません。申請を怠ると10万円以下の罰金に処されることもあるので注意をしましょう。
過去の地目を確認することで、地盤の強弱がわかります。以前「田」だった場合は、脆弱な土地の可能性が高く、地盤工事が必要です。地目の確認で絶対に買うべきではない土地が見分けられます。
地盤の質を確認する
地盤の質を確認することも見分け方としては大切です。地目以外にも地盤の確認をする方法がいくつかあります。
- ハザードマップで確認
- 大きな図書館に行き古地図で以前の周辺環境を確認
- ネットで住所を検索して地盤沈下のニュースがないかを確認
- 古くからある神社や商店街などで土地の歴史を聞いてまわる
過去に近くで地盤沈下や液状化現象を起こしてないか土地の歴史を確認します。地盤の質を確認することで、絶対に買うべきではない土地を見分けるようにしましょう。
用途地域を確認
用途地域とは都市計画において、市街化区域内の特性などに合わせて指定した地域区分のことを言います。用途地域によって建物の種類や容積率、建ぺい率が変わってくるので注意が必要です。
用途地域は全部で13種類ありますが、大きく分けると「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分けられます。「工業専用地域」は注文住宅を建てることができません。他は建築が可能です。ただし、できれば「第一種低層住居専用地域」などの住宅系を選ぶようにしましょう。
用途地域は地方自治体の窓口で確認ができます。住み始めてから数年後、周辺環境に影響がでるかもしれないので必ず確認をとるようにしましょう。
まとめ
「やめた方がいい土地10選!絶対に買うべきではない土地の見分け方」を解説しました。安いからといってすぐに購入するのは危険です。安いには何かしらの理由があります。理由を確認し、自分にはたいして影響のない問題ならば購入を検討しましょう。
「やめた方がいい土地10選」は、将来てきなことも含まれます。今は大丈夫でも、いつまで車の運転ができるかわかりません。「土地の見分け方」を活用して、できるだけ長く住める土地を購入するようにしましょう。